03. 生命力の自覚

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 生命力の自覚

 今日は自己評価をいかにすべきかのお話をうかがいたく思います。
 多くの人は自分の強さに確信がもてず、人間とは弱き者、人は病むべき者、生命は弱いもの、人生は悲しき事のみ多かりきと言つた人生観をもって、自分は弱いとする自己評価をしていますが、どのように改善したらよいのでしょうか?

A:人間を弱き者とする評価は、正しい人生観が確立されていないからです。
 生命や人間がかくも弱く、悲しきことのみ多ければ、生きて行く価値がないでしょう。それなら人生をやめなさいよ。人間はけしてみなさんが思うほど、そんな弱い者でありませんよ。否、断然強い者であります。
 
今日は人間は断然に強い者であるとの認識へと大転回してもうために、誰にでもわかりやすいように、第一に論理的に科学的なホピュラーな話をして理性的に理解してもらい、第二に哲学的、直感的なお話をしてみなさんに自覚してもらいたく思う。

 
 では先ず論理的、科学的なお話からお願いします。

A:先ず生命の本質的な働きとはなにか、ということから入りたい。
 生命の本質的な働きは、活きて、活きて、活きて、ひたむきに活きて生きてやまない働きです。
 アメーバーは誰に教えられたわけでもなく、活きて、活きて、活きて、ひたむきに活き抜いています。
 すべての植物も動物も、活きて、活きて、活きて、ひたむきに活き抜いています。
 その中にあって最高の生命形態が、我ら人間となります。

 35億年も前にアメーバーが発生し、単細胞、多細胞、クラゲ、ウニ、イソギンチャク、エビからカニから魚類から両生類、爬虫類、体の冷たいのを進化させて哺乳類となり、その中で猿グループ、そこから抜きん出たアウストラロビデスク、ホモ・エレクトス、ネアンデルタール人、そしてホモ・サピエンス、これが私たちだ。
 なんと我々が誕生するまでに、生命は活きて、活きて、ひたすら活き抜いて、35億年の進化の歴史があることをみても、つぶさに生命は強いものであることが、一目瞭然にわかります。
 私の生命は祖先代々は何回も代わりましたが、生命は一度とて死ぬことなく、35億年維持しています。その生命が弱かろうわけがありません。
 私たちは寝ている間でも、自律神経系統の働きで心臓も消化機能も休まずに働いてくれて生かされています。活きて、生かされ、生かされ、活きて、今日まで来ています。生命は強きものです。


 よくわかりました。強き者としての自覚を強固にするために、哲学的の方面からのお話をお願いします。 

A: 多くの人々は、幸福になりたい、成功したいと思いながらも達成できないのは、それはどこかで自分は弱いのだという立場に立っているからです。
 先ほどの生命35億年の進化の歴史をさらに遡れば、アメーバーの前にビールス、その前にコアセルベート、その前に高分子のタンパク質、その前はなんと有機物質、無機物質、元素、原子、水素、そして中性子、陽子、電子の素粒子、その背後には強大なエネルギー、そのエネルギーの前はと次々にたどって行くときりがないけど、一つの根源的なものにだんだんと近かずいて行きます。
 これを科学では実証的に究明して行き、哲学では直感的に掴んで行きますが、究極には大宇宙のなかにはすべての根本になる実在があらねばならないということです。
 その根本から一切のものが創り出され、一切のものが生かされており、そしてまた我々もそのなかで懸命に活きて繁栄していることになります。
 中国ではこれを「先天の一気」と呼び、インドでは「宇宙霊」称され、ヘーゲルは哲学用語で「絶対」ということになります。
 天風哲理は「根源的実在」、または「根源主体」を称し「宇宙霊」と称しています。いずれも強大なる力への名称です。

 根源主体、または宇宙霊なる定義を、もう少し具体的に説明してください。

 それでは根源主体の定義に入ります:
第一;大宇宙の根源的主体は強大な力を持つ。
   大きいものとして太陽エネルギーの存在、大宇宙に自ずから然りである。
   小さいもので1cm平方に1億個の原子が入り、それが広島、長崎を壊滅させるほどの強大な力をもち、これも自ずから然りで自然にあります

第二;大宇宙の根源的主体は強大な叡智を持つ。
   雪の結晶、ささいな花一つ見ても、植物にも、動物にも、物質にも知恵があり、宇宙の中に一つの意思、統一の方向性があることが見られます。

第三;大宇宙の根源主体はすべてのできごとに法則性を持つ。
   現象界のできごとはけしてでたらめではなく、すべてに法則性があり、法則性をもって現象界を支配しています。
   物質の変化にも法則があり、それが物理学となり、生物の変化にも法則性があり、それが生物学に、人間の体にも法則性があり、それが生科学、生理学、医学となり、宇宙科学も法則性にしたがって、アポロを月に飛ばしたわけです。

第四:大宇宙の根源主体は、力と叡智と法則性を使用して創造活動している。
   我々は太陽系の一員ですが、その太陽は銀河系に1000億個もあるとされて、その銀河系も大宇宙の中に1000億個もあるとされています。
   この大宇宙を誰が創ったのか。大宇宙には巨大な創造力が働いています。植物も水と、炭酸ガスと、太陽エネルギーで光合成してデンプンを創り、米、麦、ジャガイモ、リンゴ、ミカンまで、創造し人間はそれによって生かされています。

第五;大宇宙の根源主体は、創造性を駆使して進化と向上への方向性を持ち、一切を大調和あらしめようとしている。
   大宇宙の究極の目的は大調和に向かっています。我々の生命もバランスを保ちながら生きています。夏の暑い盛りでも、零下の寒さの中でも、恒常性維持機構が働いて体温を一定に保とうとしています。   
 大宇宙の根源主体は、巨大なる力と叡智を法則的に使いながら、たえざる絶妙な創造活動をし進化と向上の方向性に向かって、一切を大調和ならしめようとしている、大生命体であります。
 天風哲人は、この根源主体によって我々は、生かされて、活きていることに、絶大な感謝と讃美をもって「宇宙霊」と称しました。
 素直に納得がいきます。有り難うございます。
 では、この第一認識である、大宇宙と私たちは、いったいどのような関係にあるのですか?

A:大宇宙と私たちの関係、それが第二認識となります。
 宇宙の大生命と我々の小宇宙はいかなる関わりがあるのか、これを多くの人は知りません。ずばり天風先生のお言葉で言いますと、「我々は宇宙の根源主体とつながっている。我々は宇宙霊と一体である」これが悟りであります。

 大宇宙の根源主体の働きで我々は生まれ出てきました。だから我々はこの大生命の分流であります。同じ流れから分かれた分流であります。言ってみれば大宇宙を母とすれば、我々はその子供です。
 「我が生命は大宇宙の生命とつながっている」これが悟りです。
  だから、
 「宇宙霊の生命はそのまま我の生命に与えられている」と、なります。
 宇宙の根源主体のもつ、力と叡智と、法則と創造性と、進化と向上と、大調和をもたらそうとする宇宙霊の働きは、そのまま私たちの生命のなかに与えられている。ですから人間はすばらしい力をもっている事になるわけです。
 そして、人類もその方向に向かってこの地球において大調和すべく創造活動をしています。
 私は大宇宙の根源主体とつながっている。それなるが故に我々の生命の中にすばらしい力が、生まれながらに与えられています。
 天風先生はこの力を "Reserved Power" 潜在勢力と呼んでおりました。
 そして、この与えられた力に感謝して正しく活かして行こうとするのが、心身統一法であります。
 天風哲理は、その正しい力の出し方、使い方を、懇切丁寧にお教えしています。
 多くの人は生命を考える時に、心身を宇宙の根源的生命力から全く切り離して、自分の体を中心にし肉体本位で考えていて、一方、心の方はといいますと全く粗末に扱い、栄養失調になっています。


 今日は心の強さと心身を統一して使う大切さをよく理解できました。これからは心身の統一を心がけ、心と体のバランスを保って行きたく思います。さらに、我々の35億年の生命を大切に受け継いで行きたく思います。
 それでは「力の誦句」をお願いします。

A:私はけして弱い人間ではないのだ。否、断然に強いのだ」ということがわかったと思う。
 大宇宙の生命の最先端に立つ私はすばらしい力をもつのだと、今日から、たった今から自己評価して、それを認証して意識の大転回をやってもらいたい。
 では、私の生命は強いのだと、情熱を込めて、真剣に「力の誦句」を、繰り返し、繰り返し、潜在意識に打ち込んでください。
 「力の誦句」私は万物の霊長たる人間である、しかも、人の生命は力の結晶である。
  だから、
「私は力だ 力の結晶だ。
  
 何ものにも 打ち克つ 力の結晶だ。
  
 だから 何ものにも 負けないのだ。
  
 病いにも 運命にも、
  
 否 あらゆるすべてのものに 打つ克つ力だ。
   そうだ! 
   強い 強い 力の結晶だ。」

 大宇宙から与えられたものは「ネイチャー」であり、それを我々が引き出して創りだすものが「カルチャー」です。このネイチャーとカルチャーを一体化したところに心身統一法が堂々と、ここに展開されてきます。

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