08. 真の幸福について
真の幸福について
誰もが幸福を求めています。世間一般でもいとたやすく「幸福」の言葉を多用し幸福の言葉が街中に氾濫しています。
しかし、その割りにあまり実感がともなわず、思ったほど幸福を掴んでいないように見えるのですが、
幸福とはいったいどのようなものなのでしょうか?
と、申しますと?
せっかく得られた幸福を維持することは不確かなもので、不幸福にはすぐにでもなれます。みなさんが幸福を求める時に比較する心理が働きますが、これが問題です。
他者と比較する心理がプラス路線で働けば自分を内省し工夫して向上へと転化させますが、これがマイナス路線に行きますと、すぐに羨望や嫉妬が生まれ、それが愚痴となり、不平不満となり、努力もせずに自暴自棄となりまして不幸が発生してきます。
この比較心理が始まりますと際限なく、常に人のものがよく見え、自分のものが何だかみすぼらしく見えてくるもので自分がみじめになります。隣のものはみなよく見えるものです。ですから幸福を求める方法として、先ず「幸福は遠くに求めるのでなく、身近に求める」脚下照顧です。
次に、「幸福を豪華さの中に求めてはならない」。
豪華さの中に幸せを求めると、お金の無い人は一生不幸ということになってしまいます。
ささいな事、貧しさの中にも幸福はあるのです。お金をかけなければ幸福にならない人は、いつまでも幸福になれない。
では、どのように幸福を求めてゆけがよいのですか?
A: 先ずは幸福感をはき違えしている考え方を整理することです。
お金がある、名誉がある、健康である、別荘がある、外車がある、ダイヤの指輪があるなど、幸福になる条件の素材になり得ますが、けして幸福そのものではありません。世間一般ではこの幸福の条件を整えることを、幸福になることと誤解しています。そしてその条件を整えることにあくせくして、かえって幸福を掴みそこねています。
仮ににどんなによい条件が整ったからといって幸福かといいますと、また次々に比較しますからそうでもありません。ですからここで最も重要なことは「幸福とは感じるものである」という認識です。たとえどんなに条件が整っていたとしても、幸福を感じなければ幸福でありません。世の中には条件が整っていても案外と不幸な人が多いものです。
繰り返しますが「幸福とは感じるもの」であります。
感じるものとはどういう事か、もう少し具体的に説明してください?
感じるには刺激受信機が必要です。これは頭に中にありそれを司どっているのは心であります。つまり幸福は心で感じるものとなります。人間というものは心が充実している時、あるいは燃えている時には、条件がそれほど整っていなくてもけっこう幸福でいられるものです。
心が豊かであればそれだけでけっこう幸福になれます。幸福の条件が整うまで待っていましたら、それには際限がありませんので、いつまでたっても幸福にはなれません。
具体的に話しますと、お嫁に行く時に花嫁修業として料理を習い、生け花を習ったり、また花嫁道具をそろえたりします。これらは幸福になるための条件造りとしての花嫁準備でありますが、これだけでは幸せになりません。花嫁修業の一番大切な準備は、幸福になるため、幸福を感じるための心の準備です。これが本当の花嫁修業でして、花嫁道具の大きなタンスの中に幸福があるわけでありません。
よくわかりました。
では感ずる心と幸福の条件造りではどちらを優先すべきか、
また、どのようにして感ずる心を習得できるのでしょうか?
現象界は相対でして絶えず変動がありますから、この変動の中で活きて行く以上は、何かあるのが人生だけど、何があっても敢然とそれを乗り超えて行く、あの積極心が必要ということですね?
A: そうです。
しかし、世の中の人は枝のないところに枝をつけて不幸になっている人が、あまりにも多いものです。悪いマイナスに理屈をつけて不幸になっています。マイナスの思考で幸福になれるわけがありません。同じ枝をつけるのなら、プラス思考のよい枝をつけるべきです。
生命思考はプラス思考ですし宇宙の思考もプラス思考です。それはまさに真理ですから天風哲理ではこのプラス思考をお教えしています。
生命を看破した、禅の嶋山老師の言葉に;
「花は黙って咲き、黙って散って行く。そして再び元の枝に帰らぬ
けれど、その場その場において、この世のすべてを託している」
その花に「きれいだね」と言ってあげる心、そういうわかりあえる心に幸福があります。
「ここに幸あり」ですか。
心のおきどころ一つで、些細なことの中にもいくらでも幸福を見つけられるということですね?
不幸になったとしても、そこにも幸福というものはある」と、よく話されていました。
「幸福の誦句」;
人間が人間らしくある時にのみ、人間の恵まれる幸福を受け得る。
そも、人生の真の幸福は、あらゆる苦悩を苦悩とせざる、心の中に存在している。
而して、この信念こそ、人をして最も価値ある生き甲斐を感じせしめる、たった一つの要訣であります』。
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