01. 天風 VS 武蔵

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 天風 vs 武蔵 

天風の五輪書」の表題は、宮本武蔵の「五輪書」から引用しました。
 古代の東洋思想は、宇宙も人間もすべて「地、水、火、風、空」の五大元素から創造されると考えていました。その五大元素を引用して天風哲理の実践法を;
  地の巻、クンバハカ法
  水の巻、実在意識の改善法
  火の巻、潜在意識の積極法
  風の巻、心の使用法
  空の巻、安定打坐法  五つの法で「五輪書」としました。
 
 どの巻から始めてもよいよう各巻が完結した実践法になっています。そして各巻の五輪がペンタゴン状にバランスよく連結することで「心身統一法」になるように構成しました。

 熊本市の島田美術館に宮本武蔵の肖像画が所蔵されています。二刀を提げた剣聖の風格を漂わせている肖像は、晩年においても射抜くように見開かれた眼光を失わず、肩を落とした力みのない姿勢、丹田に気を込め、隙を見せず、いつでも踏み出せる身構えの「静中の動」は、天風式クンバカハ法に共通しています。
 天風師がよく宮本武蔵の話を講談風にされたなかで、もし天風が60数回の真剣勝負で無敗を誇る「二天一流」の剣豪・武蔵と決闘しても勝てると語っていました。歴史に「if」はなく、時代も違いますので、勝ち負けを比べることになんの意味もありませんが、天風と武蔵の巌流島での決闘シーンが、目に浮かんできてしまいます。
 九州柳川藩に伝わる「随変流抜刀術」のなかで、天風が最も得意とし後に「天風」名の由来になった「天津風」と、武蔵の「二天一流」の対決や如何に、、、
 
私も天風が勝つのではないかと推考しています。それは天風の技が武蔵より勝れていたと言うのでなく、天風が武蔵より後から生まれただけ心理方面の探究をより深く究めており絶対積極の境地にいたからです。
 それに「武蔵の五輪書」は相手にいかにして勝つかの兵法でしたが、「天風の五輪書」は自分にいかにして克つかの霊法だからです。己に克つことは至難な技です。

 以上のようなわけで、本章のタイトルを「天風の五輪書」としました。

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