10. 結び
結び
<日々更新>
日々更新する宇宙真理に順応するには、まず己の心を日々更新せしめることから始めます。
本サイトで論じてきました、地の巻「クンバハカ一番」、水の巻「積極一貫」、火の巻「潜在意識の更改」、風の巻「感謝一念」、空の巻「宇宙霊と一体」、一輪一輪をひたむきに実践して五輪の大華を咲かせましょう。
それには紐といた各巻の「天風の五輪書」を結び、その真理を毎日の生活のなかで実行です。天風教義を知識として理解しただけでは智慧になり得ません。実践を通して体得して行きませんと、現実の生活にも、非常時の時にもそれほど役に立ちません。
実行の効果は事実が証明します。是非とも実行されますことを祈望します。
天風哲人の遺墨に「天風会修練会員日常生活行修考抄」という一枚の色紙があります。上の写真にありますように、一日の行修を一枚の色紙に集約した色紙です。
先ず色紙に書かれいる文章を、読みやすくするため句読点をつけて書き移し、そこに私が日常に行修しています法に解説を加えて「結び」としたく思います。
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財団法人 天風会修練会員日常生活行修考抄
毎朝、睡眠より目覚めし直后、直ちに『信念』の自己暗示を厳かに口にし、更に床上にて暫時養動法を行う。その際に『よみがえり』の誦句と、『誓』の言葉を発声もしくは黙唱し后、「ひとりあんま」を実行した后、離床すると同時に自身の寝具を身分の如何にかかわらず『感謝』の正念を以って整頓し後、冷水摩擦又冷水浴を行い洗顔及び整容化粧に関する一切を了へて后、活力吸収法を心誦してプラナヤマ蜜法を数回実行し、引続き呼吸操錬と統一式 運動法を厳行し、而して后一般生活行事に移るべし。
注意、
安定打坐密法及びプラナヤマ密法並にクンバハカ密法は、一日の中機会ある毎に怠り無く回数多く実行する程、生命に好良なる効果あることを志るべからず、
尚、各誦句は心身統一を完成する根本要素となる精神生命の人生態度を積極化する自己暗示となる必須なるもの故、毎日その何れかを心誦黙唱して心の曇りを払い清める可し。
そして、常に如何なる場合にも、心を明るく朗らかに活き活きと勇ましく堅持し、かりそめにも宇宙真理を、理入と行入とによりて体得せし真人たる誇りを汚損せしめず、常に人の模範となりて、世のために尽くすことを、その心かけの第一となすべし。
以上 喝 天風 識
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天風哲理は、「真人生の探究」「研心抄」「錬身抄」の三大著書と「安定打坐考抄」が基盤になります。それらの教義をたった一枚の色紙に大集成させてしまったところに、天風師の偉大さを感じずにはいられません。その意味でも貴重な色紙になっています。
しかし、色紙を書かれた時代から今日では、生活環境もいろいろな変遷が生じています。天風教義の研鑽も日々更新していますので、本色紙にも時の変遷に適応した補充が必要になってきています。ですから本色紙の日常行修を基本にして、その上で各自が日常の生活習慣の中で必要に応じた工夫を、各自の心身に合った行修法を創意し補充してゆかれることをおすすめします。
その一例の参考として私自身が長年にわたり研鑽工夫してきました日常行修を書き進めたく思っています。
先ずは「修練会員日常生活行修考抄」前半の部分、朝の起床から一般生活行事に移るまでの行修に成ります。
私は当地で洋式の生活環境でして、朝のシャワーから一日が始まるので行修の順序が違ってきまス(太字は色紙にない行修です);
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*毎朝、睡眠より目覚めし直後、一晩休ませてもらったベッドに向かい「ありがとうございました」と合掌し、ベッドを整理しています。
同時に枕元に用意しておいたペットボトルの水500ccを「飲水」します。(本エッセー「天風師の面影」の「天風哲理の地下水脈」2014年5月、6月参照)。
*次に寝室に掛けてある黒と赤の「天風箴言日めくりカレンダー」の箴言を黙読した後、バスルームに入り鏡に向かい「信念」の自己断定暗示を行います。鏡に向かい「微笑み」、「この笑顔を今日一日くずさんぞ」と囁きます。
(私は目覚めに熱いシャワーが心地よいため、いまだに「冷水浴と冷水摩擦」を実行していません。どうも苦手でして将来の課題となっています)。
*シャワーの後に神棚に水をあげ、二礼二拍一礼してから60分間の行修に入ります。行修はたくさん項目があるので2項目を「同時行修」させています。
*先ずは「養動法」しながら、CD「神人冥合」の13、14に収録されています天風先生直伝の「安定打坐法」を8分間聴き、「安定打坐」を行います。
*次に天風会で販売のカセットテープ「安定打坐」を、20分間聴きながら「ひとりあんま」で身体機能を調整しています。その後で「真向法」を取り入れ、柔軟体操をしながらブザーの音に合わせ「安定打坐」をしています。
*ここで「安定打坐」カセットを止め、クンバハカをより確かまものにするために、下腹部と腹横筋を強化する「ドローイング」仰向けの方式で10回行い(本エッセー「腹式呼吸ドローイング」を参照)、ついで「フロントブリッジ」と「スクワット」を30回、西野式気功の「華輪」腕ふりで体を左右にひねりで丹田と腹横筋を強化しています。
*これらの行修が一通り終りましたら「統一はちまき」をしめて、カセットテープの「朝礼」を拝聴しながら20分間の朝礼に入ります。(朝礼のテープは昭和43年度、天風先生最期の東京本部夏期修練会の戸外修練を収録した貴重品で、昭和61年に小川浩補導から特別にいただいたものです。私が朝の行修を今日まで継続できますのも本テープのおかげです)。
*先ず天風先生が唱える「よみがえり」の誦句を合掌しながら拝聴した後、会員による「誓いの言葉」と一緒に誦句を唱えます。その後また天風先生の指導で「活力吸収法」の誦句を、黙唱し「プラナヤマ呼吸」を行っています。
*ついで、杉山彦一先生のかけ声で「呼吸操錬」で、吸気とともに動作をはじめ、呼きとともに動作を終え、動作の節目節目にクンバハカ体勢を交えた呼吸法を行い、その後に「統一式運動法」に移ります、日頃使われていない筋肉のストレッチングと、宇宙霊との一体を味わいながら流れるように行いニッコリ笑ってしめています。
ついで「積極体操」に移り、クンバハカ体勢のまま気力を充実させ消極的観念を撃退し、心身を積極化せしめています。
一連の「呼吸操錬」「統一式運動」「積極体操」は、細部にわたり研鑽されよく組み立てられていますので、マニュアル通りに実行しています。
行修の合間に「朝礼」のテープから会員のかけ声が響きて一緒に朝礼をしている気分になり、遠く離れた海外でも「不孤」です。
*最後に呼吸を整える整理体操、この時点でひと汗が流れ、心身ともに今日一日の積極の気が充満しています。
統一はちまきをほどき、再度 CD「神人冥合」13、14を聴きながら「安定打坐」に入り朝の行修を終え、明るく朗らかに、活き活きと「一般生活行事」に移っています。
朝の行修の際に注意していることは惰性になってしまはぬことです。マンネリにならぬように体調に合わせ行修の順序を若干変更したり、新しい運動を加えたりし「毎日が新しい一日、新しい元気の甦り」を意識してやっています。
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注意;
「安定打坐」及び「プラナヤマ法」並に「クンバハカ」を、一日の生活行事のなかで機会ある毎に怠りなく回数多くの実行し、これらを常態化させ、生命に良好な効果を志ざし、同時に「飲水法」を実行し日常行事の合間に水を補給しています。
その他に私は1985年9月以来、誦句集をいつでも心読できるようにお守りの如くに携帯しています。かつては仕事を始める前に全誦句を心読していましが、今はその時々の置かれた状況に応じて必要な誦句を心読しています。また誦句を真髄「我は宇宙霊と一体なり」を常に念じています。
そして、如何なる場合にも、心を明るく、朗らかに、活き活きと勇ましく堅持し、宇宙真理を理入と行入とで体得した真人(リアリスト)としての誇りをもって生きて行くように心がけ、常に人さまの模範となり、世のために尽すことを第一の心得としています。
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こうした色紙に記されたたくさん行修をみますと、あたかも天風教義と実践だけで一日が埋めつくされてしまっている錯覚を受けますが、朝の行修60分間の他は、各行修が通常の生活をしながら実行すればよいわけです。ここで私の朝の「ながら同時行修」が有効になってきます。
日常生活を通していつもクンバハカの姿勢になっていますが、さらに歩きながらクンバハカ、仕事しながら安定打座、車の中でクラシックを聞きながら安定打坐、トイレの水を流しながら安定打坐です。
その他の行修としまして、時おり(冬場をのぞき)一日3キロ、45分を目処に「散歩」しながらクンバハカとプラナヤマ呼吸しています。空気の爽やかな朝に散歩する人も多いようですが、私は夕食後に散歩を心がけています。
では、何の為にこうした行修するのでしょうか、
天風哲人は;「信念を創るため」として、
「常にいかなる場合にも、心を明るく朗らかに活き活きと勇ましくせしめ、宇宙真理を体得した立派な真人となり、世のため、人のために役だつ自己を完成させる」ことを究極の目的としていました。
<補記>
本サイト「天風の五輪書」では「鍛身抄」と運動法は扱いませんでした。
これでは片手落ちになってしまうのですが、こうした運動法につきましては、各自がそれぞれの年齢と体力、強化の目的別に応じた方法を、独自に工夫して開発されて行くことをお勧めします。
身体の鍛錬は言葉での説明でなく、実際の鍛錬を通して習得しなければなりませんから、ご興味のある方は生活の細部にまでわたり懇切丁寧に健康法を教示している「鍛身抄」を、お薦めします。
ここでは補記として天風式運動法を、簡単に解説しておきました;
*活力吸収法(プラナヤマ法);
クンバハカ体勢で体全体に行きわたるように静かに全身の深呼吸を行います。
先ず口から息を大きく吐きながら体内の悪気邪気を吹き払らいます。ついで鼻から息を大きく吸いながら大宇宙の活力を体全体に行きわたるよう想念します。
*呼吸操練;
各動作の節度節度にクンバハカと呼吸法を取り入れられ、セットになって練習できる工夫がなされています。
*統一体操;
日常あまり使われていない筋肉のストレッチ体操。
運動不足を補い血液の循環を促進させる運動となっています。
各体操の動作に意味付けされていて、体操しながら宇宙エネルギーを、我が生命に受け入れる工夫がなされています。
*積極体操;
こぶしを握ってクンバハカ体勢まま、前後、左右、上下に突きの運動を行います。
*一人マッサージ;
自己調体法とも称し、日頃の活動をねぎらいながら体全体の径絡をマッサージします。
各運動法は長い研鑽の上で組み立てられていますので、心身にたいへん効果的なものになっています。
私の場合は上記の運動法のほかに、さらに「飲水法」、柔軟体操の「真向法」と、西野式気功の「華輪」、「腹式呼吸」の鍛錬にドーローインとフロントブリッジを取り入れ、クンバハカをより確かなものにしています。その他に時おり散歩を心がけ、歩きながらクンバカ法を実行しています。
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