09. 人間の生命
人間の生命
私が宇宙生命と人間生命の関係に興味を持ちましたのは、数十年前に読んだ本がきっかけになっています。今になってはどの文献だったのか忘れましたが、メモしたノートに「宇宙と心臓」としてメモしておいたのでそれを引用してみます。
「人間の心臓は宇宙ともに呼吸し、宇宙から産み出す波動によって動いている一種の宇宙エネルギーです。1分間に18回の波をもつエネルギーでして、海岸に打ち寄せる波も1分間に18回となっている。平均1分間で行う呼吸運動も18回で、18回の呼くと吸うで36となり、人間の平均体温の36度で、36度が心臓に届きX2=72回が1分間の心臓の鼓動となって血液の循環がはじまる」とありました。
私はまだ波打つ回数を測ったことがないのですが、地球重力が作用していることは推察できます。また、地球の自転と月の周期が人間の生体系リズムに影響を与えていることはよく知られていることです。
宇宙大生命の章で触れましたが、私たちの生命は霊魂という宇宙エネルギーから創られています。私たちは己の肉体を自分と思っていますが、人間の正体をつきつめていくと目に見えない感じることのできない霊魂という宇宙エネルギーで創られています。宇宙霊を大海とすれば霊魂はその一滴の水となります。
霊魂というとなにか仏教じみた印象を受けてしまいますが、物理学でいう生命体を構成している元素です。生命の元をなしている宇宙エネルギーです。霊魂は個々の生命の中枢にあって生命を生かし、生命を統括する霊妙な働きをしています。
その霊魂は目に見えない五感感覚を越えた気体のため、そんなものは無いと言う人もいますが、あるからこうして生きていられるわけで、気体が抜けたら死んでしまいます。ひどい打撃を受けて気が絶えることを気絶と言っています。
人間ができたのもこの宇宙の気体の作用によります。霊魂という気体が人間生命の中枢をなし、すべて気が元になっています。人間の生命だけでなく心の働きにも気が働いています。気が動く事で現象が変化し物が生まれてきます。
この霊魂が現象の世界に生命を表現させるための道具として人間の心と肉体が与えられています。ですから霊魂は肉体を使うだけ使い肉体という道具の使用期限が切れたら心身から離れて宇宙に還元していきます。つまり自分の生命の実相は、心でもなく肉体でもなく、目に見えない一つの気体なのだということになります。
霊魂が私たちの生命を形成する時、まず心の働く場である脳髄で受け入れられ、それを神経系統へ送りこんで生命を活かすエネルギーになります。このエネルギーが肉体面に現れると体力、精力、運動能力となり、精神面に現れると精神力、胆力、判断力、断行力になります。
このように人間の生命は、霊魂を中核にして心と体の統一体になっていますので、心と体を分ける考えは間違いとなります。霊魂の働きは心身一如ですから、その働きを完全にするために心を積極的にさせ、霊魂を受け入れる器である肉体を整えることが必要になり。心はあくまでも人間の生命が活きるための道具なのですから使われるべきものでありません。ですから心は熟練した技師が機械を操るようにして使い、自分の人生をより価値高く生き甲斐のあるものにするために、心の使い方をマスターすることが必要になってきます。
今まで自分だと思っていた心と体は、霊魂がこの世界に生きるための道具であり、気の働きを行うがための道具ということになります。それはちょうど私たちが着ている洋服と同じようなもので、自分の命の主宰権を持っているのは、心でもなく、肉体でもなく、霊魂という気体だということです。霊魂が思ったり考えたりすることで、生命の活動が表現されてきます。霊魂が司る心はその人の思考の原動力である気を通して宇宙霊とつながっていることになります。
人間がいろいろなことを考えたりする時に「いい考えだな〜」、「いい知恵だな〜」、「いい判断だな〜」というような直感やひらめきは、この気体のなかにある作用が働いているからです。ですので哲学者や宗教家は「宇宙は人間の心の化身であり、宇宙は心をもち、生きている」と、認識しています。
そうは言いましても、肉体が生きて行くための道具ということは、理論ではそれなりに理解できますが、心までも道具だと言われますと唐突過ぎましてすぐさま納得が行きません。
しかし、だんだんに心も道具であるから心に使われてはいけないということが、知識としてでなく自覚できますと、なぜ心を積極化させるのに潜在意識の積極化が重要になるのかがわかってきます。そしてその自覚を契機によりいっそう「天風の五輪書」の実行に熱が入って行きます。
こうした真理をいつまでも知識だけに留めていては智慧になりません。理解だけでなく自覚してこそ本当に自分の魂に受け入れたことになります。天風哲理を実行することで初めて自覚されてきます。
「天風の五輪書」は、心の使い方を説示しています。
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