「坐右箴言」
私は最早何事をも怖れまい。それはこの世界並びに人生には、いつも完全ということの以外に、不完全というもののないよう宇宙真理が出来ているからである。
この真理を正しく信念として努力するならば、必ずや何事といえども成就する。
だから今日からはいかなる事があっても、いかなる事に対しても、かりにも消極的な否定的な言動を夢にも口にするまい、また行うまい。そしていつも積極的で肯定的な態度を崩さぬように努力しよう。
同時に、常に心をして思考せしめる事は、人の強さと、真と、美のみであるよう心がよう。
たとえ身に病があっても、心まで病ますまい。たとえ運命に非なるものがあっても、心まで悩ますまい。一切の苦しみをも、なお楽しみとなす強さを心にもたせよう。
宇宙霊と直接結ぶものは心である以上、その結び目は断然汚すまい事を、厳かに自分自身に約束しよう。
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各誦句集の中でこの「座右箴言」が一番厚い小冊になっています。
冒頭からいきなり「眼を開き安定打坐!」と入っています。
「理想的安定打坐というものは、眼を開いていても、仕事をしていても、その刹那に、心耳を澄し、空の声を聴けば、安定打坐になるる」「そのために、静かに坐禅を組まして、練習している」。まず、これを「第一義的な生き方」としています。
さらに、「人生の事情のいかんに拘らず、いつも一切に対し、心の力で、苦を楽しむ境界で活きる事が、「第一義的の活き方」であり、この誦句を「座右箴言」となせと説示し;
「心が積極的であれば、積極的なものを引きつけるし、積極的であれば、消極的なものを引きつける」。
「たとえ身に病があっても、心まで病ますまい。たとえ運命に非なるものがあっても、心まで悩ますまい。一切の苦しみをも、なお楽しみとなす強さを心にもたせよう」。
「自分の心が、幸福を呼ばなければ、幸福は来ない」。
「生きていることを、ただ、有り難く感謝」。
「自分自身の心が思い方や考え方が、自分自身をつくりあげる。それが絶対の宇宙真理である」。
2021年はこの「第一義的の活き方」の誦句を「座右箴言」にして新年を迎えたい。
付記;天風から大切な「座右箴言」:
「諸君にいいたいのは、恵まれた幸運に、いい気になって、自己研磨を怠ってはいけない。やがて21世紀が来たら、思想的にも、アイデアに方面にも、必ずや、世界をリードするだけの権威ができると、私は確信している」
「私が三寸息絶えて、何百年の後に、世界中が、みな宇宙霊との一体の実行者に、必ずなると確信を持っている!」