人間本質自覚の誦句
人は万物の霊長として、宇宙霊のもつ無限の力と結び得る
奇しき働きをもつものを、吾が心の奥に保有す。
かるが故に、
かりにも真人たらんには、いたずらに他に力を求むるなかれ。
人の心の奥には、潜在勢力という驚くべき絶大なる力が、
常に人の一切を建設せんと、その潜在意識の中に待ち構えて
いるがゆえに、如何なる場合にも、心を虚に、
気を平にして、一意専心この力の躍動を促進させよう。
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誦句集に初めて潜在意識の語彙が出てきます。
「潜在意識は実在意識を通じて宇宙霊と結ばれていて、宇宙霊と同様に、一切の物を創り出す創造力を有している」としています。
天風哲理の潜在意識の更改法は、潜在意識と実在意識の両方を必要としています。自身を鏡と自己暗示を駆使して、実在意識から潜在意識へ積極的な暗示を送り込み、潜在意識領の奥深くに染み込んでいる消極的な観念を、一枚一枚とり剥がして積極的な要素に取り換えていくことを実行しています。
水壷の濁り水のなかに真水を一滴一滴と注ぐとやがて澄んだ水になるように、積極的な要素をコツコツと潜在意識領に打ち込むことで更改させて行きます。つまり、潜在意識の記憶の倉庫を大掃除して無用な消極的な要素を整理し役に立つ積極的な要素と入れ替えです。これまで多くの人は潜在意識領に消極的な要素ばかりを送り込んできましたが、これからは鏡と自己暗示法を活用して、積極的な暗示を打ち込に潜在意識領を積極的な記憶で満たし消極的な要素を追い出してしまえと説示しています。
天風哲人は、もしこの積極化法で潜在意識量の消極要素がとれないのであれば、天風打坐をして自分が産まれる前の遺伝子までに立ち戻って更改させろという徹底ぶりでした。
付記;最後の行く「力の躍動を促進せざるベからず」文体を、わかりやすく「促進させよう」としました。