山田務名著「天風道八十年」の際立った特徴は、眉間は命の窓として最重視していることです。活力吸収法(プラナヤマ法)を、眉間プラナヤマ法とも称しています。
著者は宇宙に隈なく遍満存在する活力は、主に眉間(第三の目)から入って、松果体に溜まった後、全身の神経系統の原動力として配分されるとし、眉間から導入された活力が松果体ホルモン・メラトニンの分泌を促し活性酸素の細胞破壊作用を抑制して老化を予防すると言われています。そして、眉間吸収法で得た活力を、自分自身の体内移送だけでなく他者へ移送、また遠距離移送の方法を論及しています。
引用が長くなりますが、活力移送法についてそのまま書きますと;
「天風先生は、生前多くの会員に『お力頂載』と言って、活力を眉間から分けてやっておられました。大正13年の頃は修練会の終りがけに、百数十人という多数にお力を授けておられ、その後やり方はずっと簡略されましたが、そのお力は素晴らしく強力なものでした。普通の全身移送で、相手を楽な姿勢で椅子にかけさせます。自分はその右側に立ち、左手を軽く相手の右肩に置き、軽く叩いて気を楽にさせます。右手の人差し指と中指を揃えて伸ばし、指先を眉間に1〜2センチ近づけ、眉間呼吸プラナヤマで活力を十分貯えて後、相手の眉間へ向け『ブェイッ、ブェイッ』と、気合いを掛けます。左手は相手の肩から2〜3センチ、右手指先は眉間から1〜2センチに保ち、意識を相手の眉間へ集中し続けて、ム〜吐息を吐き続けます。終りに左手で相手の肩をポンと叩き『入った』と断定します」とあります。
眉間に元気を移送する儀式です。当時は病を患った入会者が多くいましたので、すがるように「お力頂載」したのだと思います。私はこれまで「お力頂載」を見たことも経験したこともないため、効果を実証できませんので言及せずにきました。
余談になりますが、天風先生から直接「お力頂載」を受けた人が直弟子で、経験のない人が孫弟子になるのかと思います。天風会は今でもこの活力移送法を行っているのか知りませんが、世代はすでにこの事実さえ知らない曾孫弟子となってきています。
私は自分自身の体内へ活力移送法は実行していますが、他者へ移送はしていません。これまで他者へ活力移送の経験がなく、また医科学的な実証デタがないことを、下手に言及してオカルト的に流れてしまうことを警戒し避けてきました。しかし、最近になり、たとえ医科学的実証がなくても思念移送はあり得ると思うようになり、他者へ活力移送を始めてみました。
それには「これかな」と思いあたるヒントがありました。私の母が晩年の頃に耳が遠くなり話し声が大きくなりました。たまたま私がアメリカから帰省した翌朝、パジャマ姿で二階から降りる途中で、母が仏壇の前で祈っている声が聞こえてきました。その声は私の無病息災をひたすら祈っていました。私が18歳で家を離れて上京し長い海外生活が続いている間、母は毎朝私の平安無事を祈っていたのだと思います。おかげさまで無病息災でやってこられました。
もちろん母は天風哲理を知らないのですが、祈りを通して移送法をやっていました。誠に有り難いことです。これにはなんの科学的な根拠はありませんが、母の思念に守られてきたと思います。よく「あの人から元気をもらった」と言う表現もこれなのかと思います。そんなことでいま、私は母の思念をヒントに他者への活力移送を始めてみました。
来年はさらに天風打座と眉間活力吸収法に打ち込み、他者への活力移送法をより確かなものにして行きたく考えています。他者へ元気をあげられるように精進してゆきたい。
眉間活力移送法
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