情報化社会のなかで瞑想が注目されてきています。デジタル思考は時に瞑想を必要とするのかも知れません。
グーグル、インテル、ゴールドマンサックス社などで「マインドフルネス(Mindfulness)」と称する瞑想法が、社員研修に取り入れられています。
「マインドフルネス」は坐禅からヒントを得て、集中力を高めるトレーニングとして創意したといいます。グーグルの社内には瞑想スペースが31室あり、人材開発部が「マインドフルネス」を取り入れて独自の瞑想アプリ「ヘッドスペース(Headspace)」を開発し、10%の社員が実践しているそうです。宗教色を抜きにした「心のスポーツジム」の感覚で捉えているようです。
アップル社のスティーブ・ジョブスが生前 iPad 2に唯一ダウンロードしていたのがパラマハンサヨガナンダの「あるヨギの自叙伝」でした。瞑想はマイクロソフト社のビル・ゲイツをはじめ、シリコンバレーやウォール街のエリートたちの間にも広まっているようです。多忙を極め緊張と頭脳の酷使から脳が疲労を覚え、心が平静を失い生理的に休息を求めてのことと思います。
どのような瞑想法なのか知りませんが、多忙なビジネスマンに時間的な余裕がそうありませんので、おそらく呼吸法を含めて10分程度の瞑想かと思います。そしてその効果がどれほどなのか、悟り風の野狐瞑想になってしまってないか心もとないところです。もしこの様な方法でしたら、時間をかけずに「心に与える瞬間活法」の安定打坐がより有効的だと思うのですが、なぜ採用しないのか。
なぜ採用しないのかは明解でして、彼らが瞑想の歴史の中で画期的な安定打坐法を、知らないというだけの理由です。これは我々が世界の舞台で啓蒙を怠ってきたことによります。惜しむらくは1947年、ロックフェラー三世が三顧の礼でアメリカに招いた時に、3年ほどでも渡米していればまた違った発展をしていたと思いますが、あの時は日本がより天風先生を必要としていたため叶いませんでした。
安定打坐法の指導には、天風先生収録の「神人冥合」、山田務名先生収録の「安定打坐法」、最近では沢井淳弘著の「中村天風から教わったやさしい瞑想法」という指導本が出版されています。いずれもすぐれた内容なのですが、惜しむらくは英語バージョンがありません。天風先生のお弟子さんでもあった沢井先生は、海外で留学と日本文化の講師を経験され、英文学者として46年の間、高校と京都大学で英語の教師を務められた方ですので、ぜひとも"ANJO-DAZA-HO"(やさしい瞑想法)の英語版をお願いしたいものです。
近藤麻理女史の著書「人生がときめく片づけの魔法」という形を変えた一種の瞑想法が、世界でベストセーラーになるご時勢です。安定打坐で即座に無念無想の境地に達入でき、心を休息させる「人生が輝く心のそうじ魔法」が待たれています。
安定打坐と瞑想
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