今日は中野孝次著「道元断章」についでさらに2000年前に遡り、氏の「ローマの哲人セネカの言葉」を読了。
やはり「読書プロの文学者」が、セネカの言葉を、綺麗な文章と澄んだ知性でわかりやすく紹介しています。
実は私の勝手な偏見で、長いこと中野氏を敬遠してきました。日本中がバブル景気に熱く炎上していた時、冷や水を浴びせるように「清貧の思想」を世に問うたからです。何もいま出版しなくもいいではないか、なんとすねた方なのかと思っていました。
しかし、こうして「ローマの哲人」の知恵を読み進めますと、氏の思想の核心を素直に受け入れることができました。それにこの「清貧の思想」は、心の豊さと道徳性を失いつつある現代の日本人への警告として光を放っています。
「人間の欲望や快楽に飲み込まれることなく、宇宙の秩序と法則に従い自然の全体と一致して生きれば、心の安らぎが得られる」と説いています。
人間が考えることは2000年前も、道元の800年前もさして変わらず、大哲人が時空を超えて「今ここ」に生きている錯覚を覚えます。読書プロの文学者に敬意を表したい。
「人は生きているかぎり、いかに生くべきかを学びつづけなければなりません」セネカ。
氏の「ハラスのいた日々」を、読んで見たくなった。
ローマの哲人
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