再談「邪悪なGAFA」

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IMG_1688.jpeg 「邪悪に堕ちたGAFA」を一気に読み終えた。著書というよりグローバル ビジネス コラムニストの優れた中間報告書に近い。
 「2016年からすべてが変わった」として、ビックテックの問題点を14章に分けて鋭く整理しています。やはりアメリカには優秀なジャーナリストがいるものです。アメリカの強いところです。
 冒頭に「フランケンシュタイン」の言葉を載せ、「私は命をもたない体に生命を吹き込むためにだけに、睡眠も健康も犠牲にした。並々ならぬ情熱でそれを望んでいた。でも、いざ完成してみると、美しかった夢は砕け散り、息の詰まるような恐怖と嫌悪が私の心を満たしたのだ」と、ビックテックをフランケンシュタインに喩えています。
IMG_1689.jpeg 人は平均して1日に2617回携帯電話に触れスマホの所有者の79%が、朝目が覚めた15分以内にデバイスを手に取る。アメリカ人の3分の1が、セックスか携帯のどちらかをやめるなら、セックスやめると答えています。平均的なティーンエイジャーは1日に7.5時間をスクリーンやスマホを眺めながら生きているという。大学生の集中力の持続時間が50年前に比べ大きく変わってしまった。こうした中毒に陥れるビックテックの魔力は由々しきものです。
 またこれは個人レベルに留まらず、政治、経済、一般の社会環境の全般にまで大きな影響を及ぼしている。数値だけのアルゴリズムによる「監視的資本主義」は、私たちの社会を危険で非民主的な方向に導き、世界を二分化する危険性を孕んでいる。
 しかし、安堵することはビックテックの問題点が明確に成れば、後は新しいルール造りと対処法になる。人間が造った問題に解決できないものはない。今、緊急に断固たる政治意志を持って規制にあたるべき時になっている。

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このページは、三休が2021年4月13日 04:49に書いた記事です。

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