私は小島直記(1919年〜2008年)のフアンで数冊を読んでいます。また、氏が月刊誌「選択」1975年の創刊号から連載したコラム「古典からのめっせいじ」を、楽しみにしていました。
そんな私に友人から関心がなかった「人生まだ70年の坂」を勧められ、「俺もついにこの本を読むの歳かと」感慨深いものがありました。時に友とは非情なもので、休まず、迷わず、一灯を掲げて70坂を登って行けとのメッセージです。
著書の最後の2章、「何を捨てるか?」「老いのシナリオ」は、実に参考になりました。
「青春とは人生の或る期間を言うのでなく、心の様相を言うのだ。
人は信念と共に若く 疑惑と共に老いる
人は自信と共に若く 恐怖と共い老いる
希望あるかぎり若く 失望と共に老い朽ちる
「生涯現役」「生涯勉強」、一灯を掲げて70の坂道を行き、歳を憂うることなかれ、ただ一灯を持って坂道を行けとある。
補記として:
電力の鬼、松永安左衛門翁(95歳没)の俳句、人生の情味を紹介;
母を慕ひ 妻を思うや お正月
何となく 91まで 行きにけり
初夢や 若き娘に 抱きつけり
おめでとう おめでとうとて 春の朝
小島直記著「まかり通る」(電力の鬼、松永安左衛門偉人伝、2003年刊)が、絶版で古本で¥1円より(>_<)、今日の経済界人士の衰退を物語っている。
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