執行草舟著「脱人間論」の再読を終えた。大いに感動し大いに共鳴しほぼ全ベージに青線を引いて読了です。さすがに眼底疲労を覚えた。
本書は執行氏70歳の集大成で代表作になると思う。日本の知性の最高峰に至っている。第1章から第8章までほぼ同じ内容の繰り返しなので各章だけで独立した1冊の著書になるのに、お構なしの執念が凄いところ。
「脱人間とは、ヒューマニズム、民主主義、科学文明に汚染された。いまの人間を捨てること」「本来人間とは宇宙の主体であり、人類に降り注いだ宇宙的使命を地上における顕現化なのだ。それが我々の魂と生命を創り上げている」「人間をやめ、人間以上の物を目指さねば本来の人間(真人)になれない」「信仰とは、魂のために生きることをいう」「宇宙と一体化のためにすべてを捨てないと魂が浮かび上がってこない。宇宙と一体化して魂を取り戻せ」「魂の故郷に戻るには、原人間まで戻らねばならない」「宇宙的使命の一つが愛の実現である」。
大いに感動し、大いに共鳴するのだが、氏と私は核心の部分で対極にある。脱人間のためになぜ悲痛に悲哀や呻吟を覚悟しなければならないのか。そのためになぜ「ただ独りで生き、ただ独りで死ぬ」必要があるのか。私の相容れぬところです。氏はある意味で運命論者でもあるが、西欧思想の影響から「原罪」を核心に置き、私にその「原罪」がないからなのか。
ともあれ次回の再読を楽しみとし、明日から同氏の「おゝポポイ!」を読み流すことにします。
脱人間論(再)
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