執行舟草 VS 横田南嶺円覚寺管長の対談「風の彼方へ」―禅と武士道の生き方―を拝読。
「風の彼方へ」と気障ないかにも執行氏好みの題名です。対話の内容は文字通り禅と武士道の生き方でしたが、ぼぼ全ページに「死す」の語彙が見られます。なぜこれほどまで「死」を乱発するのかと思うのだが、執行流に表現すれば「死ぬほど面白い」対談でした。
横田禅僧は執行氏より14歳若いからかもっぱら受け身でしたが、ここは禅僧らしく遠慮せず鉄扇を持って「このスノビッシュのたわけ者」と、自己中ダンディズムへ一喝が欲しかった。
執行氏は思想の核心に、死神に取り憑かれた如く、先ず「死」を置くのだが、私のような凡人は「死など死んでから考えればいい」と、思索の核心に命の「生」を置くのと対極をなしています。だが、なぜか不思議と執行氏に惹かれてしまうのは、富士の頂点(死)を目指すのに幾つか登山口があるようなものかも知れない。
要は一度限りの命、一生を懸命にして活きて、ひたすらに生きて、魂を完全燃焼させようとどこまでも愚直に武士道の生き方を死守する氏に共鳴するからだと思う。その意味で氏の念波は強い。
中共ウイルスの非常事態の間に、執行氏の著書を読み漁ったのは決して偶然でなく、私の魂が氏の愚直な行き方に感応したからだと思う。いい時に氏の著書に出会いました。
こんなノリで、もう一冊「『憧れ』の思想」を購入し、「死ぬほどに食らいつく」ことにした。
風の彼方へ
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