週末を使って三浦柳著「『残心抄』祖父三浦義一とその歌」を読み通した。
昭和も遠くなりにけりで、何で今さら三浦かと思いましたが、読み始めたらとまらない素晴らしい伝記でした。
三浦義一が生き抜いた激動時の破天荒な戦前、尊皇歌人の文化維新としての戦中、政財界の黒幕として共産化と戦った戦後の生涯でした。私の学生時代はちょうど三浦義一の最後の舞台でしたので、登場する人物が身近な同じ雰囲気の中で呼吸をしていましたので、読んでいて息詰まり涙する伝記でした。でもお勧め本としてはどうかなです。
三浦柳女史が一つの人物伝として書き残しておくべきものかと思いながら15年間ほど温めて書き続けてきたというが、執行草舟氏の熱望がなければ刊行までたどり着けたかどうかです。令和元年12月出版ですから、今年なにかの文学賞を獲ることでしょう。
読み終えて改めて執行氏の「解題『残心抄』に思う」を、読み返しましたが、こちらも素晴らしい小論でした。執行氏はいい仕事をしていますので、ご祝儀に氏の「魂の燃焼へ」を購入することにした。
さて、これで中共ウイルスの緊急事態時のなかでの読書を終わりにして、6月からは通常の仕事に復帰です。
三浦柳「残心抄」
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