幸田露伴「努力論」

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41Y456YDVQL.jpeg 友人から幸田露伴の「努力論」が、天風哲理と多々共通すると、中野孝次著「幸田露伴の努力論に学ぶ『自分を活かす気の思想』(2001年、集英社新書出版)の注釈書をいただいた。
 拝読しますととても参考になる注釈本でした。こうした著書が重版にならず、古本で10円〜30円とはなんとも残念。ここにも若い人の読書離れうかがえますが、努力家の清貧学生にとり手頃の値段となる。
 その内容ですが、文字どおり「努力」して幸福と成功を掴めと、若い人への人生論でした。明治人幸田露伴の粋と希望の気概を感じます。1912年出版ですのでまだ天風がヨーガの里で生死をかけて修行していた時ですから、露伴は先陣となります。
 ここで興味深いのは幸福をつかむ知恵として、幸福三説「惜福、分福、植福」を主張しています。惜福、福を一遍に使い尽くしてしまわぬ事。分福、自分だけの福でなく自他ともに福にあずかる事。一人「雪隠で饅頭を食う」など卑劣の行為をするな。植福、福を授かるために福を植える事とある。
 気を率いる生き方として、人生を生かすも殺すも気次第と、さまざまの気の使い方を伝授しています。ただ、ここはやはり作家と学者の注釈ですので興味深く説得されるのですが、ではどうすればのHow to Do の具体的な実践の域まで行っていません。その意味でも天風は幸田露伴の後に続く者となるでしょう。

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このページは、三休が2020年1月21日 06:05に書いた記事です。

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