香港の最大規模デモの時に、折よく福島香織著「習近平の敗北」を読んでしました。
第4章「宗教と異民族が引き起こす分裂」と第5章「台湾有事と香港スキャンダル」は、NYハドソン川を挟んでマンハッタンの摩天楼が一望できる木陰のベンチに座り、心地よい初夏の風に吹かれながらの読書でした。
福島香織女史はいま私が一番参考にしている中国通でして、彼女のメルマガも定期購読しています。この著書だけで現状の中国と習近平を理解できる秀作でした。彼女のすばらしいところは口先だけの中国評論家でなく、中国のなかに入りペンをもって戦っている姿勢です。今回は参加していませんが心情的には香港に駆けつけてデモの隊列の中にいるような人です。彼女は;
「中国の人類創生神話は、女かという女神が泥人形を作るところから始まります。最初は丁寧に一体一体作っていたのが、途中から面倒くさくなり、縄を泥に浸して振り回し、飛び散った泥の滴が人間になりました。なので、中華世界では丁寧に作られた選ばれし人間と泥の滴に過ぎないレベルの低いどうでもいい人間と、生まれながらに差があるのです」と、共産党人と泥の滴民とを対峙させて泥の滴側に立っています。しっかりした日本人ですが、中国が好き所以なのでしょう。
習近平の敗北
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