岸根卓郎氏の量子論からみた「見えない心世界」(2017年PHP刊)を、熟読しました。92歳になる岸根氏がこれまでに刊行してきた多くの著書のうち、心に関わる著書の集大成とも言うべきものであり、「おそらくは私の長い学者人生における最後の書になると思う」、いわば総括の書になります。
東西文明興亡史を、800年周期交代と大ナタでぶち切り、最先端の量子論の進化により科学と宗教の統合が進み、21世紀は西洋文明に代わり、心を基盤にした7周期目の新東洋文明の勃興を予言しています。宇宙の意思(心)が西洋物質文明から東洋精神文明へとルネッサンスを促し、いよいよ日本の出番としています。
これまで西洋科学の物と心を分離した二元論が、量子論の出現によって物と心が核融合されて東洋精神の一元論が再発見されました。量子をミクロの観点から科学的な解明で大宇宙の下で粒子(物)と波動(心)が、姿を変えて輪廻していることが立証されました。量子論唯我論は「いざ往かん、往きてまだ視ぬ神を視ん!」と、粒子の波動の果てに宇宙の心(神)にたどり着きました。
著書には天風哲理の心の力(積極波動)は出てきませんが、量子論唯我論の宇宙法則の論及から、心身統一となぜ安定打坐が必要なるのかが解明されています。また、手前味噌になりますが、恩師と私の共著「文明の大潮流」における宇宙的霊性を基盤にした地球文明と量子唯我論を基盤にした東洋文明の違いはあるにしても、ほぼ同じ論調になっています。このサイトの表題も「宇宙の心」です。
そんなことで久しぶりに日本の最高の知性に酔いしれました。下旬に再読して量子力学からみた天風哲理を整理したく考えている。
著書は450ページの単行本ですが、興味のある方には是非の必読書となります。
見えない心の世界
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