5月の御世代わりに向けて、野島芳明著「永遠の天皇」ー日本人の自己確認のためにー(1978年刊)を、再読しました。
書かれている内容は、今日的な「永遠の天皇」の課題ですが、さすが40年も立ちますと引用文献が古くなってしまうものです。山内丸山遺跡もまだ発掘されておらず古代世界も様変わりしていました。
ブログでは大嘗祭に関連する箇所を書きだしてみました;
「天地初発のときに働いた宇宙的生命力が『いやつぎつぎに』歴代の天皇に伝えられ天照大神の命(いのち)が『いま』を発現して『今上』となり、その現成生命を伝えているのが『今上天皇』となる」。「いやつぎつぎ」と元号は代われども「今上天皇」は代わらずで、ここが永遠の天皇とされるところです。
「天皇は、日本史における国土と国史の象徴であり、国体と文化の具象化であり、大和(だいわ)精神の体現者である」。
「大嘗祭は天皇即位後はじめて新穀をもって、天照大神および天神地祇を祀る一世一度の大復活祭である。天皇が『神を食べる』ことで自ら神になる秘儀で、天照大神から生まれ代わり(現成し)、今上天皇として高御座につくという就神式であり、降誕祭であります」。
「統治には、一種の祭儀が不可欠であり、かつての朝廷(精神的権威)と幕府(政治的権力)の併存構造にみられように、日本文化の構成要素として祭儀権と行政権の分立させてきた驚くべき民族の叡智があった。祭儀権と行政権は分立させないと独裁者が出てくる。近代的な三権分立の前に、まず、二権分立があらねばならない」。
永遠の天皇
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