2019年2月アーカイブ

心を研ぎあげる

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IMG_8781.jpeg 南方哲也編著「心を研ぎあげる」(2月12日出版)を、読みながら2月を締めて3月を迎えることにします。
 天風師が講演でなく書き下ろした著書に『真人生の探究』『研心抄』『錬身抄』の三部作と『安定打坐考抄』があります。南方氏は『真人生の探究』を10年前に『天風入門』として著し、今回は『研心抄』と『安定打坐考抄』を、『心を研ぎあげる』として編著しました。とてもいい表題です。
 南方氏は天風会の教務委員会の主任を務められた方で、両著書とも極めてオーソドックスに哲理を引き継いでいます。天風師死後50年になりますのに保守そのままの編著で、私には教科書を読んでいるかのようでした。さすが元教務主任です。
 長年にわたりここまで研鑽なされて編著し、「神仏」「宇宙大生命」と書きながら、なぜ天風哲理の核心である「宇宙霊」の語彙まで飛躍しないのだろうか。私が著書にいまひとつもの足りなさを感じるところです。
 それでは、みなさまよい3月をお迎えください。

2:25.jpeg 2月24日に天皇陛下の在位30年を祝う記念式典が行われ、皇太子も59歳の誕生日インタビューで、すでに心の準備ができたとのことです。いよいよ御世代えの時になってきました。
 新元号を待たず平成に殉死するかのように二人の方が2月に逝かれました。
 日本と日本文学をこよなく愛し、晩年は東日本大震災発生直後に日本へ帰化を決めたドナルド・キーンさんが96歳で逝かれました。「昭和30年に初めて中尊寺に参詣してから現在まで、日本のことを考えない日はおそらく一度もありませんでした。そういうことで、私は日本と日本人に特別な縁があるとしか思えません」と語っていました。「好きな日本への感謝の気持ちを表現するため、日本人になりたいと思った」、有り難いことです。私にとり上越新幹線の中で一度だけキーンさんと同じ車両に同乗したことが想い出になりました。
 もう一方は、ベビーブーム世代を「団塊の世代」と命名した、作家であり万博プロデューサーとして活躍した元経済企画庁長官の堺屋太一氏が、83歳で逝かれました。
 堺屋氏は「平成」がはじまった直後に「平成三十年」と題する小説を書き、その第1章が「何もしなかった日本」として、「これからの何十年か、日本は大した改革も大きな新事業もしないだろう」と予測しました。実際に予測通りさしたる変革も改革もなく「平らに成った」まま過ぎようとしています。堺屋氏は早くから、みんないい子で何もせず、ワタクシ主義の日和見の「団塊の世代」を、見抜いていたかと思う。歯ぎしりが出るほど悔しいが、実際に憲法改正も改革も何もしなかった。
 私にとり平成時代はすべて海外生活で、ポカッと穴の空いた時となっています。「平成」からは元号を使わずすべて西暦で過ごしました。あの山口百恵、安室奈美恵、SMAP、嵐の引退になぜあんなに大騒ぎするのか感覚的に理解できず共有できませんでした。
 でも5月からは西暦でなく新元号を使い日本と同じ空気を共有しようと決めています。新今上天皇をお守りするのが団塊世代に残された国事だからです。我々の世代もせめてこれくらいの責務をやってから逝きたいものです。

2:22.jpeg 最近ユーチュバー流行りで、玉石混淆の情報が溢れ、客引きのために見出しばかりがド派手になり、その多くが期待外れで、いささか食傷気味になっています。
 そんななか、2014年に打ち上げた「はやぶさ2」が、32億kmを飛行し、3億4千km離れた小惑星「リュグウ」にタッチダウンした爽やかなニュースに心が洗われました。
 2月22日、はやぶさ太郎が竜宮で採集した物質から、海の起源、生命の誕生の秘密に迫まるという現代神話の快挙です。
 それに比べ、先日中国が月の裏側に着陸した成功は、名目は資源探索ですが、実質は軍事目的で、米中の宇宙戦争の幕開けとなり、アメリカは宇宙軍を創設しました。人類の出自である宇宙を、戦争の具に利用する縄張り争いはいただけません。誰のものでもない宇宙霊(神)に対する冒涜です。
 日本は人類に向かい「宇宙を静謐な海」にすべきこと発信して行かねばならない。それが21世紀の日本が日本を実践することになる。

塩谷信男医師

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71GyNorWXBL.jpeg 知人の紹介で錦城ひかり医師のインタビューによる「正心調息法」創始者である塩谷信男伝『すべてを叶える宇宙無限力』を読みました(沖縄の海の表紙がいい)。
 いや〜世の中にはすごいお方がいるものです。感心しての一気読みでした。宇宙の無限力を受け入れる「正心調息法」の要点として;
 「正心」1、物事をすべて前向きに考える。2、感謝の心を忘れない。3、愚痴をこぼさない。
 「調息」1、鈴の印を組む、2、鼻で深呼吸、3、深呼吸を1日25回を心がけて静息へ。
 「大断言」静息の時に「宇宙の無限の力が凝(こ)り凝って真(まこと)の大和(だいわ)のみ世が生(な)り成った」と、強く10回念じる。
 書かれている内容は天風哲理そのもので、違いといえば天風哲理が百年の風雪にも耐えてることです。ですから強いてこの本を読むまでもないのですが、私が興味を持ったの「縁はいなもの」ということです。塩谷医師は渋谷区の開業医、手を当てるだけで治すと患者が列をなす名物医。一方の天風会館は文京区で同じ東京の空の下なのに二人に接点がなかったことです。私の知らないくらいですから、たぶん会っていないかと思います。あくまでも私の推測ですが、一度は天風師の講演は聴いておられたと思いますが、塩谷医師は心霊界の方に入っていますので、質的な違いがあり互いに敬して近寄らずであったかも知れません。これはもう縁としか言えません。
 もっとも私がブログに紹介したかったのは、著書のなかに出てきます松下松蔵翁の存在でした。熊本県の片田舎に住む無学な老人ですが、地元では「親神様」と呼ばれ、患者を神棚の前に座らせ、その横で2、3回コクリコクリするだけで、結核、末期ガン、認知症、ハンセン病、松葉杖の人、全盲など、どんな病気も奇跡的に治してしまったという絶大な治療能力をもっていたとのことです。現実にこんな事があり得るのだろうか。にわかに信じられませんが、これはすごいことです。
 お二方ともに故人になっていますが、グーグルで松下松蔵翁と塩谷信男医師を検索してみてください。世の中にはすごい人がいるものです。

716f6bTVDOL.jpeg 私の著書「天風式ヨーガと瞑想のすすめ」が、明日で出版1年になりました。当初、編集者から何度も一般の読者向けにハードルを低くして間口を広げろと言われましたが、ご縁ある方に一人でもいいと私の考えを貫きました。そのため結果的には天風宛へのラブレーターになってしまいました。
 気がつきましたら、ブログでこれまでにたくさんの著書を写真入りで紹介しているのに、自分の著書は紹介していませんでした。1周年を記念して写真入りで紹介することにしました。
 マスコミで大谷翔平選手の愛読書として、天風述『運命を拓く』が紹介されたこと、1月5日の『週刊現代』ウェブ版で「中村天風とは何者か」という特集が掲載されたことで、アマゾンでベストセール1位の品切れなり、たぶんその影響で私の著書もボチボチ売れ続けています。それになぜか古本での最高額が4920円で3.5倍のプレミアムが付いてます。
 また、今年の6月に天風哲理創建100周年ということで読者の口コミもあり、アマゾンのこのカテゴリーで年間100位内をキープしてきたようでした。今日はご祝儀で26位になっていました。
 まぁ、天風師とご縁のあるお方に手にしてもらえれば、それでよしと総括しています。

2:16.jpeg 節分にまいた豆の残りを神棚に置き、朝の運動の前に数粒をつまみ、体のなかで「福は内、鬼は外」と豆まをきしています。若い頃は歳の数だけ豆を食べて1年の無病息災を願ったものですが、中年になってこれをやりますと、ひどい便秘になってしまうのでやめました。
 このところ当地でおとなしく冬籠っているため、もっぱら読書で心を鼓舞しています。今週末は田中英道著書「日本人を肯定する」についで「日本が世界で輝く時代」ー歴史と文化のいぶし銀の輝きー、を読んでみました。混迷する世界は今、日本文化に注目しているという文化論を展開しています。ユーチューブで著者の講演をたくさん拝聴できます。
 国力には経済力、軍事力、文化力の総合したものがあり、日本はそろそろ不毛なマルクス史観、虚妄な近代、戦後の自虐史観をやめて、今こそ世界に向けて固有の文化力を発信して行く時としています。堂々と北斎と写楽は同一人物であり、ミケランジェロやダ・ヴィンチ級だと主張しています。日本文化の世界化です。そのためにも著者は文化を守るために防衛力も必要としと、「ひよわな花」になることなく憲法九条の改正し、「菊と刀」「鑑と剣」「権威と権力」による日本文化の二元制を主張しています。
 読みながら考えついたことですが、私のスタンスは「保守グローバリスト」(強烈な日本人たることで国際人)という新造語に思い至りました。著者も保守グローバリストなのでしょう。
 また、美術史家である著者の「日本美術全史」ー世界から見た名作の系譜ー(講談社)を、同時に購入して書斎に置くことにしました。

タイワニーズ

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71+OH2LVPhL.jpeg いま台湾に関する資料を整理中でして、私の個人的な興味なので人様にお勧めする筋合いの本でないのですが、野嶋剛著「タイワニーズ」--故郷喪失者の物語--(小学館2018年刊)を読んで見ました。表紙の顔がどうも気持が悪く読む気が萎えますので、もう少しなんとかならないものかな。
 著書は日本で名を成した在日台湾人の家系物語で、私の知らない事ばかりでしたのでたいへん勉強になりました。ここに登場しますのは、先ず「蓮舫」、「辜寛敏&リチャード?クー」、作家の「東山彰良」と「温又柔」、女優の「ジュディ?オング」と客家の「余貴美子」、551蓬莱肉マンの「羅邦強」、チッキンラーメンの「安藤百福」、歴史作家の故「陳舜人」と金儲けの神様こと「邱永漢」らの家族物語と終章の「タイワニーズ全体」で構成されていました。
 ここに出てきます名前はみな知っていましたが、彼らの精神構造と生活背景までは知りませんでした。それを台灣通の著者の力量で見事にフォーカスしていました。これには脱帽、こう上手く書かれてしまいますと、私の出る幕がありません。英語ではすでにTaiwaneseを使っていましたが、私もこれから「台湾人」でなく、カタカナ書きの「タイワニーズ」を使うことにした。このほうがしっくりする。
 今朝になって面白いことに気がつきました。「タイワニーズ」とヤマトの「大和ニーズ」が同音でした。同音の「永遠のタイワニーズ」のシーパワーで、押し寄せるレンドパワーの脅威を、籠島作戦で振り切ってもらいたい。

永遠の天皇

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IMG_8753.jpeg 5月の御世代わりに向けて、野島芳明著「永遠の天皇」ー日本人の自己確認のためにー(1978年刊)を、再読しました。
 書かれている内容は、今日的な「永遠の天皇」の課題ですが、さすが40年も立ちますと引用文献が古くなってしまうものです。山内丸山遺跡もまだ発掘されておらず古代世界も様変わりしていました。
 ブログでは大嘗祭に関連する箇所を書きだしてみました;
 「天地初発のときに働いた宇宙的生命力が『いやつぎつぎに』歴代の天皇に伝えられ天照大神の命(いのち)が『いま』を発現して『今上』となり、その現成生命を伝えているのが『今上天皇』となる」。「いやつぎつぎ」と元号は代われども「今上天皇」は代わらずで、ここが永遠の天皇とされるところです。
 「天皇は、日本史における国土と国史の象徴であり、国体と文化の具象化であり、大和(だいわ)精神の体現者である」。
 「大嘗祭は天皇即位後はじめて新穀をもって、天照大神および天神地祇を祀る一世一度の大復活祭である。天皇が『神を食べる』ことで自ら神になる秘儀で、天照大神から生まれ代わり(現成し)、今上天皇として高御座につくという就神式であり、降誕祭であります」。
 「統治には、一種の祭儀が不可欠であり、かつての朝廷(精神的権威)と幕府(政治的権力)の併存構造にみられように、日本文化の構成要素として祭儀権と行政権の分立させてきた驚くべき民族の叡智があった。祭儀権と行政権は分立させないと独裁者が出てくる。近代的な三権分立の前に、まず、二権分立があらねばならない」。

 朝5時半に起きてシャワーしてから朝の行修をやっていますが、外はまだ明けずに暗く、温度は零下4度から16度の日々になっています。
 室内温度20度での行修ですから、30分もしますと汗がにじみでてきます。この外気と内気のコントラストに爽快さを感じています。
 今日の天風会のメルマガ「一日一話」は、クンバハカのやさしい練習法が掲載されていまして、あらためて参考になりました;

▼天風式クンバハカ法を習慣化するコツ
「天風式クンバハカ法」の習慣をつけるのに
いちばんいい一石二鳥の方法がある。
日に何千回でもいいから、
深呼吸をすることを稽古なさい。
深呼吸は出すだけ。深呼吸なんだから、
「呼」のほうから先におし。

そのときに、肛門は締めておいて、
肩だけ落として、腹のほうは考えないで、
息を出すだけ出しちゃう。
出しちゃって、出し切ったなと思ったときに、
改めてまた肛門を締めて、肩を落としておいて、
息を吸い込む。
いっぱい吸い込んだときにおなかにぐっと力を
入れて、そしてまたハーッと出す。
一度に二回か三回でよろしい。
日に何千回でも、意識的にそれをやってみる。

2:3.jpeg 昨日の「日本人を肯定する」の出典として、私の恩師の野島芳明著「現代ユダヤの世界」ーこれだけは信じられるーに言及してみました。さすがに著者名を出さずに「現代ユダヤ問題研究所」(1975年)になっていました(古本で安くお買い得)。
 恩師は特攻隊予備軍で、戦争がもう少し長引けば散華となりました。終戦後は「昭和の天才、中小路彰」(2006年刊)のもと富士湖畔に13年間籠って天才教育を受けました。その時の栄養不足からか自律神経障害を患い、歩くことも話すことも不自由の身になりながらも、ワープロのキートップの上に穴の開いた特殊な基盤を置き、ひと指で一字一字をトツトツと打ち込んで原稿を仕上げていました。私は師の姿から憂国を習いました。
 恩師の偉大さはこうした近代のユダヤ世界を、いたずらに脅威や陰謀説とせずに、これが現実の世界と達観し、彼らと如何にして建設的な世界文明を築いて行けるかを真剣に思索した事です。ユダヤの一信教的グローバリズムに対峙し、多民族、多様性の文化を包括したグローバリズム(地球主義)を模索していました。
 「現代ユダヤの世界」は、私が渡米した年の出版でして、私のアメリカ生活での参考書になりました。人伝でしたが、恩師は私が学業を離れビジネスの世界に入ったことを、たいへん残念に思っていたとのことでした。この著書が恩師からの餞別本になりました。
 そんな恩師になんとか報いたく思いまして、1992年に恩師との共著「文明の大潮流」(近代的知性から宇宙的霊性へ)と、1998年に「超古代巨石文明と太陽信仰」(新たな日本の発見)を出版しました。
 こうした源流は1947年から構想をはじめた中小路彰著「未来学原論」ー地球主義ー(1990年刊)の壮大な思想を、恩師が一生をかけて引き継いだ体系でした。ユダヤ思想のグローバリズムが崩壊をはじめた今、二人の思想体系が21世紀の地球文明の創造の大きな課題になってきました。
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61MBvl8y+EL.jpeg 月はじめも書評から入ります。日本の未来が重要な節目に入っているため、次々に憂国の著書が出版されていますので、このところ書評が多くなっています。
 田中英道著「日本人を肯定する」--近代保守の死--、を読んでみました。実に興味深くこれもまた一気読みしました。私はいつも題名にこだわってしまうのだが、序章を除けばこれほど題名と内容が乖離した著書も珍しい。本来の題名は「虚構のユダヤ近代思想を排す」か「二十世紀を席捲したユダヤ?グローバリズムの正体」とでもすべきでした。ただこの不都合真実な題名ですと、どこからか横ヤリが入ることを考慮されたかと思う。
 著書の大半はユダヤ陰謀説としてでなく、文化、思想面からユダヤグローバリズムと対峙し、欧州の近代について言及しています。フランス革命、ロシア革命もユダヤ人が起こしたいもので、欧州近代はユダヤ思想によって作られた虚妄で、文化面では何も生み出していない。日本はそんな虚妄思想に惑わされず、日本は生来の日本文化に立ち戻り、自信を持ってそのままで進めばよいと結論に導いています。日本文化肯定論です。
 ユダヤ思想のグローバリズム、インターナショナルに興味のある方へ必要なおすすめ本です。

 補記:それにつけて今更に想うのですが、私の恩師、野島芳明は無名でしたが偉大でした。私は恩師の著「現代ユダヤの世界」(1975年刊)で上記の内容をすでに学んでいました。ついでにアマゾンで恩師の著書を検索しましたら、いずれの著書も古本としてプレミアムがついた高い価格になっていました。こうありたいものです。

春 MacBook Air

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340px-SteveJobsMacbookAir.jpeg 今朝の当地は零下17度の冷え込みです。このくらいの寒さが当地の最低温度なのかと思う。
 2月が始まりました。3日は節分の豆まき、4日は立春の春立ち、5日は旧暦の正月で春節になります。大寒のなかでも春に向かい気持ちがワクワクしてきます。
 今月からこれまで使用してきたPC、MacBook Air を新しいMacBook Airに台替えしてデビューさせました。これからの書き込みは新台からになります。よろしく!。古い台はいつの間にか10年余が過ぎ、この間に2冊の本を仕上げてしますので、お名残おしいのですが、キートップの文字が擦り切れてしまい往生交換となりました。機種自体はまだ十分に使えますので、自宅でのバックアップ用にしました。これまでお世話になりありがとう!!
 それでは2月を始めます。

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