1月10日付けブログで紹介しました川島博之著「習近平のデジタル文化大革命」についで「戸籍アパルトヘイト国家*中国の崩壊」を読んでみました。本来こちらを先に読みたかったのですが、アマゾンで注文しますと、「お客の指定地域に配送できません」とのことで遅れてしまいました。「アパルトヘイト(隔離)」が差別語のためなのか、中国に遠慮してなのか、アマゾンとしては不勉強です。
内容が充実した著者ですが、題名がこれでは部数が伸びず惜しい。「二つの中国(都市戸籍と農民戸籍)」「都市中国の崩壊」とでもすればよかった。
著者は現中国人口13億+αを、都市戸籍約4億人、農民戸籍約9億人(内、出稼ぎ農民工3億人と分別し、農民戸籍から現状の中国を分析している貴重な内容になっています。本屋に行きますと「中国崩壊論」で書籍が溢れていますが、これらは4億の都市住民からの分析ですが、著者は農民戸籍9億人からアプローチしています。
その著者に「都市戸籍4億人が農村戸籍の9億人から搾取する『戸籍アパルトヘイト』のもとで達成した経済成長の限界も露呈し、崩壊が目前まで迫っている2020年の中国の姿が、明確に浮かび上がってくるのです」と書かれますと、やはりそうなのかといやに説得力を持ちます。
私も20年ほど前に中国工場が絶好調の時に、工場長が農民工を見ながら私に言った一言を鮮明に記臆しています。「今の中国の成長はこうした農民工に支えられているのに、中央は彼らの当たり前と思い面倒も見ない。今は農民工は中国経済の成長の絶大な力だが、やがては彼らが老いて足枷になってくる。最大の強みは最大の弱みに転化する」。現場にいる人は現状をよく見ていました。
追記;アメリカで最も嫌われている投資家、悪名高きジョージ・ソロスまで習近平は自由社会の敵と言い放った。習さん右も左も真っ暗闇でございませんか。ソロスは逆張投機してるのかな。
「民主党支持者、リベラル派の頭目、反トランプの急先鋒としても知られる投機家のジョージ・ソロスはことしもダボス会議に乗り込んでスピーチで、1月24日の分科会と、引き続いての新聞記者との夕食懇談会において、ソロスはこう言った。
「習近平は自由社会に対するもっとも危険な敵だ」と。
なぜなら「習近平は富裕で、強力で、しかもハイテクで進歩が著しい中国のトップにあり、国民をデジタルシステムで管理し支配しており、やがて人間の支配者になろうとしているからだ」。
それではこれで1月を締めることにします。みなさんよい2月をお迎えください。