昨晩、温度28度の台北から2度のニューヨークに戻ってきました。
今回の楽しみの一つは港珠澳大橋(Hong Kong -Zhuhai-Macao Bridge)を、珠海から海上を渡り香港へ入ったことでした。2009年の着工から9年間の歳月と建設費1000億ドルをかけた世界最長55キロの海上大橋です。
私はこの採算を度外視した蛮行プロジェクトを、フェリーに乗って見続けてきましたが、ついにその大橋をバスで渡りました。中国の高度成長の勢いを象徴したプロジェクトでしたが、完成時には経済に息切れが見えはじめました。パスの料金はわずか120元(約¥1900)でして、これからの維持費を考えると一体いつ投資の回収できるのかと気が遠くなる。政府の財政負担を考え聡明な香港一の財閥李嘉誠は当初から反対していました。
しかし、この蛮行を実現してしまうのだから勢いとは凄いものです。目につく政治的スローガンは着工時の「中国之夢」「復興中華」は消え失せ、「理性・平和・文明・規範」「みな新時代に属する」「幸福は奮闘から」「人が行かない道を行くことで違う風景が見えてくる」「新しい長征のイメージが現実と成る」などが書かれていた。
ともあれ今は何も言うまい。こんな大橋を建設してしまう蛮力に対し素直に敬意を表したく思う。
港珠澳大橋
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