日本人の心の源流をさがそうと、このところ古神道に興味をもち集中的に「古事記」における宇宙観を読んでいます。
竹内陸泰著「古事記の宇宙」ー古神道的考察ー、著者は武内宿禰(すくね)第73世で、武内家の代々伝わる「帝皇日嗣口伝」を交えた古事記の暗号の御開帳ということで楽しみに読んだ。ここでは天御中主神の前に「無」のヒモ波動があり、すべては無からはじまり「すばる、、、すべる、、、うつしょの、宇宙。うまれる」と、ここから宇宙論を展開している。
古事記の宇宙をまともに紐解いて行くのだが、最後の方でおかしくなってくる。大国主命が異邦人でたぶんユダヤ人、猿田彦神がイエス・キリストであり、天の岩屋戸で神楽舞をした遊女の天ウズメノ命がマグダラのマリアとなると、もれはもう都市伝説を越えてしまっている。折角の「帝皇日嗣口伝」が惜しい。それでも最後に無理矢理「万邦帰一、万国帰一、万国同根、すめらぎ、いやさか」で結んでいる。
北沢方邦著「古事記の宇宙論」は、天体の運行とくに星座からアプローチした分析は参考になった。神の名称を漢字の当て字を避けすべてカタカナにしたのは刷新で読み安い。私は漢字に敏感なのでそれが理解の邪魔をしてしまう。漢字の当て字を避けた方が、古代日本語に近く理解しやすい。
ただ、アメノミナカヌシ(天御中主)は、中国の天帝の影響で北極星を宇宙の中心と考えた神という仮説は、「古事記」の宇宙論の大前提をからはき違えているので、これはいただけない。折角の天文学からのアプローチだが惜しい、、というか所詮無理がある。
古事記の宇宙
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