中国は広く人口も多いので、一つの都市を見ただけでは確かな分析はできませんが、私はいつも上海、珠海デルタ地区を参考にしています。特に上海は明日の中国を予測するのに欠かせない地区になっています。北京も参考になるのですが、私の肌に合わず敬遠しています。
政治的な事は街中に書かれた標語を見れば、いまこの国は何を目標にしているかおおよその見当がつきます。ただ、最近はさしたる理由もなく外国人を拘束するので、安全を考慮して標語の写真は撮らないようにしています。
1年半ぶりの上海で今回は4つの事を見たく思っていました:
1、クリスマスの情況、2、街中の景気、3、オンラインによる決済サービス、4、レンタル・シェアー自転車の情況の観察でした。
1、クリスマスの情況は昨日のブログに書きました。2、景気状況ですが、やはり不景気のため小規模レストランや個人経営のアパレル店、日本式スナッく店がたくさん姿を消し活気のない街でした。ただこれは不景気だけでなくサービス業と流通業界の構造変革がひとつの要因となっていると思う。
さて3つめのスマートホンによるオンライン決済(支付宝=アリペイ)が、一段と普及して社会に定着していました。アリペイは日本のスイカとネットのペイパルを足したようなもので、チャージ(預金)してある金額から支払われます。手数料は無料で銀行のATMやクレジットカードも必要なく、スマホで何でも決済できます。最高預金枠は10万元(170万円)まで、引き落としできます。しかもアリペイの預金には5.25%の金利がつきます。
現在1日の取引き数は1億600万件を越え、金額にして4000億円になると言いますからすごいことです。これでは銀行の存続が危うくなります。
彼らは現金しか信じませんし、これで偽札の心配もなくなり、預金があることで富裕層としての面子がたち、それらをアリペイが見事に代行しています。この決済システムほどこの国の実情に適合したサービスもありません。近い将来必ず各地でハッカーによる巧妙な引き落とし事件が頻発すると思うが、それでもこの決済サービスはそれを乗り越えて定着するでしょう。
4、レンタルシェアー自転車は12月8日のブログに書きましたが、上海は地方都市ほど使い捨て問題がひどくないようです。しかし、やはりまだハードシステムにソフトのメンタルが着いて行ってませんが、これはアリペイとともに都市風景になります。
上海社会は内面から変わりはじめています。この変化がどう明日の中国に影響して行くのか、これから注目してゆく課題となります。
支付宝=アリペイ
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