マッターホルンの麓ツェルマット村と富士河口湖町は友好都市になっていました。どちらも国を代表とする誇りある霊峰の麓町ということなのでしょう。そんなことでついつい富士山と比べてしまうのだが、何故か二つの山から受ける印象が違うのです。
マッターホルン(牧草の角)は、氷河に削られ異様に造型されたため傾斜が激しくわずかに氷雪を残すだけで、長きにわたり魔の山として雪も人も寄せつけぬ孤高の霊山でした。私はこの造型に神の死を宣言した哲学者ニーチェをイメージしてしまった。
その点、富士の山(不二の山)は、やさしい雅な形状で高嶺に雪をいだき長きにわたり信仰の霊山となっていました。どちらも名山ですが、マッターホルンが私と自然を隔絶する冷たい畏怖を感じさせ、富士山が人をやさしく受け入れるのは、内に秘めたマグマの熱き愛の有無によるのかも知れない。星の爺はここでも「大切なものは目に見えない」とのつぶやきです。
これは全くの偶然でしたが、私の来年4月の予定は、河口湖から眺める富士山になっていました。もしかしたら、私も林住期に入りこの二つの山に呼ばれたのかも知れません。
おかげ様で11月もいい月になりました。感謝です。12月のよい月にしてゆきましょう
マッターホルンと富士山
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