私が時おりランチを食べに行く台湾料理店があります。お店の内装はシン・タイワン風で、料理の味もかなり台湾風味に近いことから、客層もタイワンの人で繁盛しています。
先日ランチしている間にトイレに立つたら、「関宮」(商売の神)を祀る棚の右下に掛けてあるカレンダーの「守之不動」が、目に止まりました。タイワンの現状を一行で言い尽くしています。
チャイナ政権は2020年までにタイワンを呑み込こもうとしています。タイワン統一はチャイナ共産党の悲願でして、習近平は毛沢東、鄧小平もなしえなかった歴史的偉業に挑んでいます。これには一切の妥協はなくもしタイワンに少しでも独立の動きがあれば、国際世論など無私して即ミサイルを打ち込み、武力を行使して統一に動きます。これはチャイナの妥協できない絶対核心です。
しかし、チャイナの歴史で国が一つに統一したことなどありません。しかもタイワンはこれまで直接統治したことのない「化外の地」でした。タイワンとってはえらい迷惑なことです。
タイワンの世界史的貢献は、この地に民主国家の火をともし続けていることにあります。そして共産専制のチャイナでも民主国家になり得る希望を与えました。これはチャイナにとり大きな脅威になります。
タイワンはチャイナが民主国家になった暁には、統一を考えてもいいと主張し、「統一したければ、先ずはお前が変われ」と言ったところです。蔡英文は総統選挙で勝利したとき、「私たちは、世界に台湾の自由と民主を示しました!」叫び、タイワン側にも妥協はありません。それまでは脅威に耐えながら「守之不動」で「現状維持」の政策をとっています。
アメリカは「台湾関係法」でタイワンを守る条項がありますが、民主日本は1972年に日台が断交して以来、非情にもその責務を切り捨てたまま今日に至っています。なんとかしたいものです。
守之不動
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