台南で4泊し春節を過ごしました。
さしてやることもないので、台南で読もうと思い持参した門田隆将著「汝、ふたつの故国に殉ず」ー台湾で「英雄」となったある日本人の物語ー(角川書店2016年12月刊)を、読みました。
日本と台湾の絆を表す「英雄」が、歩んだ苦難と感動の物語。史上初の「日台」同時発売ノンフィクションということで持参したわけです。
台湾で湯徳章(日本名坂井)の命日3月13日が「正義と勇気の日」に制定されました。しかし、私の不勉強でこの著書の内容も、いかなる人物かも知らずに読みはじめて、驚いたことになんとした偶然か、このノンフィクションは私の宿泊しているわずか150メートル先が歴史舞台でした。
湯徳章氏は壮絶な人生を過ごし、最期は1947年の台湾最大の悲劇となった中国国民党による恐怖白色テロの犠牲者でした。父親が日本人ということで銃殺刑に処された時、「私には大和魂の血が流れている」と目隠しを拒否し、「台湾人、万歳!」と絶叫して逝きました。
この処刑となった場所が、台南市と多くの台南人を救った英雄として名誉回復し「湯徳章紀念公園」となり胸像が建ちました。私はこの著書を持って何度も公園に立ち寄りました。
門田氏の渾身の著書であり、高い評価を受けていますが、少々政治分野に入り部数的にそう伸びないと思います。300ページ余の単行本ですので、私もあまりお薦めしません。ただ、たぶん近い将来に日台合作で映画化されると思います。その時にはぜひ見ていただきたい。こうして活きた日本人もいたということを知ってもらいたい。
私は著書を宿泊ホテルに置きてきました。 湯徳章紀念公園にて。
2017年1月アーカイブ
鶏が先か、卵が先か、いえ宇宙エネルギーが先。
ニューヨークJFKの飛行場に向かう高速道路で、ふと右隣りのラインを静かに走っている車を見ると、誰も乗っていないのに気がついた。まさかと思い、再三確認したが誰も乗っていない。
あれ、幽霊車? 透明人間? かと一瞬背筋が寒くなりました。どうやらこれがAI無人運転なのだろうと思う。テスト運転と思うが、実に薄気味悪ものです。
Ubar配車が5年後に無人運転に切り換えると聞いていたが、まだ時期早尚と思い本気にしていなかったが、それが現実味に迫ってきました。アマゾンGOも社員用に無人コンビン店のテスト稼働を始めました。
いや〜すごい世の中になってきました、楽しみましょう。 from JFK
春節で台南に向かう。台南までかれこれ20時間となる。道中の楽しみは機上でのJAL映画館。
今回は1月の往きに新作を4本、2月の復路で新作を4本を見られることになる。最近ハリウッドは駄作が多く期待外れで3本しかみない時もあるが。
今回のフライトで楽しみにしているのは、日本でも上映中の遠藤周作原作「サイレンス」です;
「神の愛は私たちが想像するより遥かに深いものであり、けして沈黙してはおられない。すべての人の苦しみに常に寄り添い、さまざまな道を示し続けておられる。だから生きて活きて生き抜け」。
「苦しみ苦しんで最後に『踏み絵』に足を掛ける瞬間、イエスが優しく『踏むが良い』」というシーンを見てみたい。
やはり「沈黙」が遠藤周作氏の代表作。私はアメリカで遠藤氏の講演を拝聴しました。この時も「沈黙」が主題で、隠れキリスタンの話しでした。そして講演の締めが、「この隠れキリスタン教会の頭上に原子爆弾が落ちました」と、沈黙のうちに痛烈な文明批判をしていました。
もし、機上での上映がまだなら、日本でなんとか時間を工面して見てきたいものです。さてどうなることか。
第45代アメリカ大統領にドナルド・トランプが就任しました。
大化けしたトランプの身に何事もなければ、この先4年間を任せることになる。
こんな品格の無い俺様大統領しか生み出せないアメリカに同情を覚える。アメリカの恥だが、こんな俺様にチャレンジさせてみるところに、この国の若さと弾力性があります。やっとオバマが終ったら今度は俺様です。
クリントン大統領の頃から急激によきアメリカが変質をはじめ、オバマ政権の下でそれがより鮮明になりました。このままではアメリカはつまらぬ多雑種国家に没落してしまうという危機感から、草の根の愛国民主主義が立ち上がったわけです。
四半世紀で人口2億人から3億人の移民国家になれば、おのずと政治制度も改革しなければなりません。いまがその時となりトランプの登場となりました。あるいはアメリカがアメリカたることに最後のチャンスかも知れません。
政治は結果責任、トランプが果たしてレーガンのような良き大統領を演じきれるのか、或はどこかで化けの皮がはがれるのか、今の時点では予想がつかない。願わくばトランプにアメリカが本来のアメリカである使命を実践してもらいたい。
私はビル・クリントン狡猾大統領、オバマの柔弱口だけ番長の16年間になんらの希望をもちませんでしたが、アメリカ全土の不動産を乗っ取ったトランプには期待するものがあります。
俺様トランプが弱体化したアメリカを建て直すことができるのか、あるいは4度目の会社更生法の適用になるのか、やらせてみないことにはわからない。「おまはん、やってみなはれ」の心境でいます。
どうせアメリカ社会は何をやるにも、右と左で51% VS 49%に別れているので、これにジョカーを加えてシャッフルし、ババぬき(Old Maid)が始まります。
ここ数年お昼弁当のご飯をスズメに分けて餌付けをしていました。
お昼頃になり私の姿を見ると、近くの小枝にとまって待っているのですから可愛いものです。私の姿が見えないとすぐにどこかへ飛んで行きますから「利口」とはこれをいうのかも。私は出張が多くペットを飼えいが、野性ですので留守しても心配ない。
当初はスプーンでお皿をチンチン〜と鳴らすと、3〜4羽が飛んで来るのを楽しんでいましたが、最近20羽からだんだん50羽近くに膨れあがり、それに比例して私の食べるご飯が半減し、夕方にひもじい思いするようになってしまった(>_<)
そんなスズメの群れにまざって春を知らせる赤い鳥が1羽くるようになりました。そう、来週から中国の春節がはじまり30億人の人が移動するようです。ドナルド(ダック)トランプ次期大統領もワシントンに移動しました。
私も来週からタイワンへ飛んで正月を楽しんできます。できたら観光地「九份」まで足をのばし「千と千尋の神隠し」の湯婆婆のゆ屋へ行ってみたく思っている。
今回も書評になってしまった。
熱心な司馬遼教徒の友人から送ってもらった「ビジネスエリートの新語録」を、お付き合いで拝読しました。せっかく送ってもらったお礼に書評を書くこの律儀な自分を誉めてやりたい。
さてこの著者は62年前の司馬氏が、サラリーマン記者時代の「福田定一」本名で書いた作品、司馬遼太郎が誕生する直前の読み物です。それを20年ぶりに新刊として、しかも文春新書(860円)での出版。いまだに出版業界はシバ神頼みでは心もとないが、読んでみますとさすがに面白く一気読みです。
サラリーマン物語として面白く、例によってついつい引き込まれてしまいました。才能とはすごいものでして目の付けどころシャープです。それにいま読んでも古さを感じさせません。福田定一の時にすでに読者の対象を見定めていて大作家の資質を萌芽させています。
また新書の横帶表裏の写真が、福田定一から司馬遼太郎へのビフォー & アフターが「いい感じ」(司馬氏の常套句)。今さらのお薦め本でもないですが、20年ぶりのジバ神回帰として十分に楽しめます。
友人が阿比留瑠比(あびるるい)の著書「総理の誕生」を送ってくれましたが、いかに阿比留氏の著書とはいえ、安倍総理論を語るのはまだ時期尚早と思い、著書を送ってもらいながら1ヶ月ほど卓上に積んだままでした。
昨日オバマ大統領のさよならスピーチ(彼の有言不実行のキャンペーンスピーチは今なお見事)を聞いた後、自然に「総理の誕生」に手が伸び一気読みしました。
著書に2013年3月、安倍首相がモンゴル訪問の晩餐会でのスピーチで「思いますに、民主主義とは、欠陥だらけの仕組みです。目標に、近道して到達することを許しません。三歩進んだと思ったら、二歩後退することもしばしばです。それでも長い目で見た時、民主主義に勝るやり方はないのだということを、私たち日本人は骨身に沁みて学んできました」とありました。
オバマ氏のスピーチでも「民主主義の働きは常に容易でなく、論議を呼び、時には血を流すことすらありました。常に前に二歩進む度、一歩後退しているような感じがするものです。しかし、アメリカの長い働きは前進という言葉で定義され、継続的に基盤となる信条を広げ、一部ではなくすべてを受け入れてきたのです」と、奇しくも重複してました。
ともあれ「総理の誕生」は、時期早々の著書でなく、安倍現役総理の現在進行形時のお薦め本でした。日本もいいリーダーを得たものです。さすが、安倍晋三の長年にわたる安倍番記者の阿比留氏でした。
(ラスベガス・ダウンターンの燃えるアーケード)
ラスベガスの展示会から戻り、今年も通常の仕事を再開しました。
ここ数年はラスベガスに飽きたのか、博打に燃えることなく時間つぶしにスロットマシーンで遊び、ほんの数時間ブラックジャック(21)で遊ぶだけで、夜更かしすることもなくなりました。
今回も同じようにスロットマシーンで時間をつぶしていたら、知人からニュールールの面白いブラックジャックのテーブルを紹介されて火がついてしまっ た。
ニュールールの説明はここでは省略しますが、これですと私40年のキャリアからしてほぼ負けない自信があり、そのうえ面白いプレーでしたのですっかり急性依存症になり、1日目は睡眠3時間、翌2日目は早朝に帰宅をひかえ徹夜で遊んでしまった。この間ジントニックをグラスで数杯空けました。
ゲームの流れから私が負けないことがわかり、小さなカジノホテルでしたのでマネージャーがきて朝4時にテーブルを締めてしまった(打ち止めです)。打ち止めはこれで2度目でして気持ちのいいものです。
こんな事はどうでもいいのですが、私が驚いたのは私の体力でした。2日間徹夜して帰宅し、夜の10時半に翌朝5時20分に目覚ましをかけて爆睡し、爽快に目醒めて朝の運動を終え、8時に出勤し、通常通り仕事を再開したことです。私のどこにこれほどの体力が残っていたかと不思議でした。
たぶん朝の体操と飲水の効果だと思うが、「継続は力」で有り難いことでした。
(ANA提供)
毎年1月のカレンダーは富士山の写真ではじまり、私の新年はラスべガスCES展示会から始まります。2017年が稼働しました。今年も飛びます。
日本の対台湾窓口機関は、1972年の日台断行以来「交流協会」という主語のないあやふやな名前でしたが、2017年1月1日付で「日本台湾交流協会」に改名されました。
日本はチャイナが「一つの中国」を主張しいることから顔色をうかがい不必要な遠慮して、対台湾の窓口機関の名称に「日本」を入れてこなかったが、やっと「日本台湾」という主語が入りました。
この名称変更は、アメリカの対チャイナ外交と連動して、日本とタイワンとの関係強化の一貫となるものです。日本の外務省内で一つの格上げとなり、次は日台関係法まで踏み込むのか、タイワンの国連再加盟の肩入れをするのか、日本の自主外交が問われてきます。
また、1月中旬に蔡英文タイワン総統の中南米3カ国訪問があり、その往きと帰りにアメリカの2都市に立ち寄ることになっています。当然チャイナから阻止すべく横やりが入ると思うが、アメリカは「あんたにとやかく言われる筋合いはない」と突っぱねると思います。アメリカの1月20日まで政権移行前の空白時を利用してアメリカの2都市を経由することになると思う。トランプの対中通商交渉は4人のタカ派のタフ・ネゴシエーターが決まりました。年初早々、タイワン問題がクローズアップされてきまして目が離せません。
新春の朝明けはポルトガルの幸せを呼ぶ鶏にしました。
幸せを呼ぶ鶏の鳴き声で、天照大御神を岩宿戸からお呼びして、新しい太陽で迎えたいものです。
「偉大なるアメリカ」の再建をめざしてトランプ・ゲームがはじまりました。国際秩序が流動化し暗転するなか、これを好機に流動を光転させ「偉大なるニッポン」を再建し、自立した強い日本を「酉も年」たいものです。
2017年は、日米両国の新しい時代の幕開けと、緊張を増す東アジア情勢に、新しい元気と新しい力で臨機応変し、これまでの世界観や慣習にとらわれずに「無碍自在」と、たゆまず「自強不息」を標語としました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
元旦
野口 拝