2016年もカウントダウンに入りました。
「我をサル ゆえに 我あり」、来る年の干支は東アジアの鶏インフルエンザの関係で、ピンチヒッターにポルトガルの幸福を呼ぶ鶏を採用しました。
2017年は国際秩序の流動化が一段と顕著になり、どう流れるか予想がつきません。こうした時は積極一貫、これまでの世界観や思想にとらわれず、新しい力と、新しい元気をもって対処してゆくことが必要になってきます。研ぎ澄まされた感性が要求されてきます。私は日本人の未来に向かう感性に自信をもっています。
「年はひとにとらせていつも若えびす」(芭蕉)
それでは2017年をはじめましょう!!
2016年12月アーカイブ
今年最後の読書本は、憂国する百田尚樹氏と警鐘を鳴らす亡命帰化人の石平氏との対談「『カエルの楽園』が地獄と化す日」になりました。両氏が8時間にわたる対談を、飛鳥新社が整理して刊行しました。
石平氏は対談のまえがきに「一瞬の息抜きもできないほど緊張感に満ちたもので、、真剣勝負であった」と記し、百田氏もあとがきに「これほど充実しかつ緊張感に満ちた対談は滅多にあるものではありません。二日間の対談を終えると、マラソンでも走ったあとみたいにぐったりとなりました。こんなことも初めての経験です」と記しています。
ですから読む方も一瞬の息抜きをできず、読了のあと気が滅入りぐったりしてしまいました。年末に読んでおいてよかった。とてもでないが年頭に読む本でありません。
チャイナ・ウオッチャーとして尖閣諸島と沖縄情勢が緊張している事は十分に承知していますが、第2章「中国はなぜ日本侵略を企むのか」にあった「人が住めない環境、暮らせない社会」のため生存空間を求めて侵略するとの箇所に、チャイナの虚無的な未来に絶望と脅威を感じてしまった。「隣国を援助する国は滅びる」(マキャベリ)、そうあってほしくないが、私が常々警鐘しているものです。
カエルの歌がきこえてきます、憂国と警鐘の書として一読をお薦めしたい。
オバマ大統領の花道になる、安倍首相の真珠湾慰霊訪問の前までに、当時の状況を整理をしたく思い、加瀬英明著「大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか」 を読んでみました。
先の戦争は対アメリカとは「太平洋戦争」であったが、世界史的にはアジアの解放という「大東亜戦争」であった二面性を持っていました。私は一貫して大東亜戦争という立場をとっています。大東亜戦争以前にはアジア・アフリカにタイをのぞき一つの独立国もなく、大東亜戦争以後にアジア・アフリカに一つの植民地もなくなりました。人類史上における文明のパラダイムシフトだったと認識しています。太平洋戦争には敗戦したが、大東亜戦争には勝利しました。私はこれを日本人の誇りとして心に秘めていますし、多くの英霊にたいする鎮魂と思っています。
加瀬氏の著書も同じ史観で書かれています。加瀬氏は200冊以上の本を出していますから、これまでに数冊を読んでいると思うのですが、のめり込むことがありませんでした。その大きな理由は私の恩師・野島芳明の思想とかなりの部分が重複するので、強いて読む必要がなかったことです。それに氏の育ちのよさスノビッシュ(お坊ちゃん)思考が鼻についたこともあります。
先日のタイワン訪問を契機にまた加瀬氏の本を再読し、(私も歳を重ねたためか)氏の外交経験とスノビッシュから来るいぶし銀的切り込みと暖かい視線に魅かれるようになってきました。それに今の日本で大局にたって深く文明史観を掘り下げる論人が少なくなりました。
2017年、国際環境が流動化して暗転するなか、加瀬氏は貴重なご意見番としての活躍が期待されてきます。そんなことでこの著書をお薦めです。
クリスマスソングを聴きながら静かに過ごしています。
「ベストソング30メリークリスマス2016」の1時間30分のサイトで聴いているのですが、視聴回数がすでに2,230万回。どれもが心暖まる名曲ぞろいで、もし一流の歌手ならば一曲でも不滅のクリスマスソングを残したいと夢みることだろう。ジョン・レノンも「ハピー クリスマス」を、ポール・マッカトニーも「ワンダフル クリスマスタイム」を残し、今日53歳で逝かれたジョージ・マイケルは「ラスト・クリスマス」を残しています。日本でも山下達郎の「クリスマス・イブ」が定番、一人でイブを過ごす人を癒してきました。
ここ数年、私の好きなクリスマスソングは、ジャクソン5のマイケルジャクソンが12歳の時に唄った "I saw Mommy Kissing Santa claus." (ママがサンタにキスをした)になっています。「階段から覗くとママが親しそうにサンタにキスしているところを見ちゃった。ほんとだよ、パパに言いつけちゃお」、この歌を聴くとよきアメリカ時代のあどけない子供と暖かい家庭が想い浮かんできます。
トランプ新大統領はこのよきアメリカを取り戻そうとしていますが、一度失ったスピリットはもう取り戻せないと思う。トランプの部屋にはレーガン大統領とジョン・ウエーンの写真が掛けてあるというが、彼がレーガンをめざしジョン・ウエーンになろうとしても、アメリカはすでに変質してしまっている。さてどうなるかことか。
それにしてもいつも思うことなのだが、クリスマスの翌日になると、クリスマスソングが冷めたピザの如くすっかり色あせてしまう。理屈ではわかるつもりだが、不思議でならない。トランプの熱狂がセピア色にならねばいいが、、
(ポルトガルの夕映え)
今朝は前を走る車のバンパーに "One day at a time" という面白いスティッカーを見つけた。
経営者の指南役であったP.F.ドラッガーの有名な箴言に "Focus your vision on contribution. On doing one things at a time. And on doing First things First"(目的の効果に集点を合わせ、優先順位に従い、一時に一つの事柄に集中させてやる)という言葉がある。ここからの引用かと思うが、"One day at a time"「今日一日に集中せよ」とでも訳すのかと思う。私は自己流の訳で「今日を生きる」と意訳してみました。
ならば "One Year at a time"「一年は一年かぎり」となるのかな。「得一年過一年」、一年を得て一年を過ごす。「得一日過一日」、一日を得て一日を過ごす、「得一時過一時」、今を得て今を過ごす。そんな思いで「今」2017年の年度計画を作成しています。
今朝はネットで2つの面白い事を学んだ。
毎月22日は「ショートケーキの日」とのことです。なぜかなと思ったら、カレンダーを見ると22日の真上に15日(イチゴ)がのっている駄洒落でした。ケーキ屋さん販売促進の苦肉の策で座布団3枚。でも退屈な日々に生活の情味があっていい。
もう一つは納豆菌の話し。
納豆菌は栄養が不足すると休眠状態の胞子をつくり、そのまま100万年以上生きると推測され、温度100度でも死なず、放射線にも紫外線にも強く、真空にも耐え、宇宙空間で6年間生存できるそうです。これらの事から、納豆菌は宇宙からやってきた地球外生命体で、その目的は地球を支配とありました。信じるか信じないかはアナタ次第。
私などは毎朝のように納豆ですから、もう完全に支配されています。アンパンマン助けて〜。
今朝、南の空を見て「一陽来復」の朝日を拝むことができました。
古代太陽信仰では太陽の光がだんだん弱まりそのまま死んでしまうことを恐れて、太陽が力を取り戻すために「冬至祭り」や「復活祭」をやりました。マヤ文明では太陽の力を復活させるためにピラミッドの上で人間を生け贄にしました。
古代社会では冬至が1年の始まりでした。イエス・キリストの出生も冬至とされ、夜の最も長い時であるとともに、この日を境に昼が長くなることから、聖なる光の出現を意味しました。「イエスは光りの子」となす所以です。
天照大御神が長鳴鶏の鳴き声で、天岩屋戸から出て来られたのも冬至だったろうと思う。われわれが御来光を拝むのもこんな民族の遺伝子がなせることかと思う。
私は学生時代に早稲田に在る「一陽来復」の穴八幡宮の近くに下宿していたご縁で、福をもたらす「一陽来福」として参拝を続けています。来年は春分の日にでも行こうかと考えています。
もう毎年のことでこの冬もチャイナの大気汚染が、最悪レベル「赤色警報」を書くことになった。しかも、ここ10年で最も深刻な汚染が予測されて、学校が休校、航空便が欠航、高速道路の一部が閉鎖と、人民の生活に影響が拡大しているニュースです。この「赤色警報」はいまのチャイナの現状を象徴しています。
今月発表された独立研究機関バークリー・アースの報告書によると、大気汚染が引き起こす心臓や肺、脳の疾患で1日に4000人余、毎年160万人が死亡し、6人に1人が早期死亡を招いていると推計です。
今年も東北地方の片田舎に住む友人から大気汚染で大変とのメールがきまして(たぶん外信ニュースになってなく私が知らないと思っているらしい)、「診療所にたくさんの病人が列をなし、私の7歳の姪も呼吸器官の炎症で注射を打ってきた」とありました。
私はなにもできず虚無的な同情をおぼえるのですが、ほんと可哀想。我が身を痛めながらよく我慢しています。宇宙開発で月面に人を送るのもいいが、その前に人間が住める環境の改善が優先課題と思うのだが。
一方、トランプと蔡英文の電話会談以後、チャイナの戦略爆撃機が、南沙諸島とタイワン周辺の上空を、旋回飛行して威嚇を繰り返しているようです。なんだかね〜。
(オフィスのクリスマス・レイ)
初雪のなか街からクリスマスソングが流れ、心が暖まり癒されます。
トランプが19日に正式に大統領に指名され、このまま無事ならば、1月20日から第45代アメリカ大統領になります。
目下、新政権の移行作業が進んでいますが、だいたいの陣容が固まってきました。就任最初の100日の手腕をみないと何とも言えませんが軟弱だったオバマ政権のちゃぶ台を、ひっくり返したような陣営です。財界主導の金融経済、エネルギー対策と国内の実体経済の再建、力を盾にした軍事外交が透けて見えてきます。
権力とはすごいもので、政治家はたちまち彼にすり寄り、経済人は対応をはじめています。すり寄りと対応は違い、経済人は何があっても変動に対応しマネージメントして行くのが責務となっています。
私たちもトランプ政権で変動があろうともメンタルの面ではすでに準備ができあがりました。実は夫婦喧嘩になるので黙っていたようですが、私の家内は隠れトランプ支持だったようで、初めて二人の見解が分かれました。現役でビジネスを実践している者と隠居した暇人との差がでました。さっそく私も「心機一転」メンタルを調整しました。君子の豹変です^^;
そんなことで来年のモットーを、過去の世界観や慣習に捕らわれず、直感を武器に「無碍自在」、たゆまず「自強不息」に務めるようにしました。
さて、クリスマスソングを聴きながら年度計画の作成に入ります。
(台北下町の龍山寺)
今朝はマイナス7度の冷え込み、今シーズンはじめて手袋とマフラーを身につけて出勤。明日は雪がちらつく予報となっています。
12月2日にチャイナのNo1癒着エイジェンシーであるキッシンジャーが訪中し、習近平と王岐山に会ってトランプ後のアメリカ外交をご進講です。さんざんチャイナに儲けさせてもらったお礼と癒着隠蔽のお別れ訪問でしょう。
あまり使いたくない言葉ですが、私はアメリカと日本を、中国に売り渡したこのグローバリストを好きになれません。日本はどれだけ迷惑をこうむったことか計り知れない。
今回も「米中関係の持続的に健康で安定的な発展こそ米中両国人民の根本利益に合致し、太平洋地域と世界の平和と安定と繁栄にも有利だ」「両国ともに努力をして、新しい出発点から安定的発展を継続させ両国関係の新章を書きましょう」とタイコモチ。外交音痴の習近平もいまだ懲りずに「中米新型大国関係を建設しましょう」とのメッセージ。もうグローバリストによる米中癒着外交は引き潮時です。
この同日、キッシンジャーの面子を潰すかのように米台断行以来37年ぶりとなるトランプとタイワンの蔡英文総統と電話会談でチャイナの核心的利益を逆なでしました。
チャイナはこれをタイワンの小細工であり子供のようなトランプ外交と批判しました。トランプは19日の大統領の正式指名を待たずに早くもジャブの打ち合い。奇しくも私が中国をチャイナ、台湾をタイワンとカタカナ表記を始めたのと同時生起でした。
「台湾を制するものが西太平洋を制す」、久しぶりにタイワン問題の核心にスポットが当たり、目が離せなくなってきました。
年の暮れ ボジョレーヌーボーで、晩酌を楽しんでいます。
明るい赤ワイン色、今年のできもなかなかです。
それにラベルのデザインがいい。
昨年はころんで頭を解禁しましたが、今年は解禁なしでした。
年の暮れ ボジョレヌーボで なりにけり (三休)
クレジット 使い過ぎて 暮れジット (サラ川)
なりにけり なりにけりまで 年の暮れ (芭蕉)
さて、今年の整理を始めよう。
「君の名は。」が、タイワン、ホンコンに続きチャイナでも大ヒットになっています。12月2日から全国7000ヶ所の映画館で放映し、初日の興行収入が13億円でアニメ映画として新記録となるようです。
私はJALの機上で観賞しましたが、「君の名は」を楽しむには少々歳を取り過ぎました。それでも学生や若者がこの映画にたまらなく魅せられ涙する感性はよくわかりました。願わくは私も酔いたいものです。
私がすごいなと思うのは、アニメ、漫画、スマホで育ったミレニアム世代の感性に国境がないということです。前回のホンコンでウーバーの若いドライバーが、上手な日本語で「考えると私の青春は日本のアニメでした。アニメゲームがしたくて日本語を習いました。夫婦で毎年1回の日本旅行を楽しみにしています。」に驚きました。また、当地ニュージァージー(NJ)州にある紀伊国屋書店の3分の2の書棚は、アニメ・グッツと漫画本で埋まっていて奧に既成の書物が置いてあるだけです。これが紀伊国屋かと思うのですが、客層の対象を反映してのことなのでしょう。
我々活字世代からミレニアム世代を見ると、世の中これからどうなることかと杞憂する一方で、不思議にも彼らに好感を覚えてしまいます。この世代は物事をアナログの論理思考でなく、デジタルの視覚感性で捉えていますので、これまでの思想や主義主張を無理やり押し付けることができなくなってきていると思う。そして、この世代は国境を越え19世紀思考のチャイナよりもっと先に行ってしまっています。
デジタルの感性は、短歌や俳句の象徴文化にみられる日本が得意とする分野で、いよいよ日本文化の世界化です。「君の名は。ニッポン」
(タイワンから日本へ向かう雲上に映しだされた機体の影)
戦後最低と評価されたカーター大統領の当時、ソ連共産党が勢力を大きく伸ばし中東とアフリカ全土の赤化が憂慮されましたが、レーガンが強いアメリカをスローガンにして大統領になりソ連を崩壊させました。近年またオバマの弱い大統領が、中東とアジア外交の失策で混乱を招いた後、トランプが "Make America Great Again" とレーガンと同じスローガンをひっさげて大統領になりました。この道はいつかきた道で、なんだか既視感です。
トランプが主張する強いアメリカの復活で海軍力の増強が確かな方向になり、おそらくその線上で南沙諸島における中国の膨脹とぶつかり合うことが予想されてきました。アメリカが海洋国家として中国の海洋進出を封じ込めることができるのか。トランプはオバマと違い弱腰でないと思うので、来年の南沙諸島は中国の出かたしだいで荒れ模様の予報です。レーガンの時のように共産党の崩壊につながってゆくのか。
私は2017年から中華人民共和国「中国」の称号を「チャイナ」、中華民国「台湾」を「タイワン」と、カタカナで表記することにしました。本来ですと「シナ(支那)」でもいいのですが、蔑視語ということなので「チャイナ」です。また、これまでの「台湾」ですとなんとなく上からの目線の響きを感じますので、新生「タイワン」としました。「モンゴル(蒙古)」「ウイグル(新疆)」「チベット(西蔵)」と同じようにカタカナ表記です。
東アジアが大きく変わろうとしている時に、先ずは己の古くなった概念から変え、20世紀の冷戦思考から21世紀の融通無碍にバージョンアップです。
スペイン北西端に位置するサンティアゴ大聖堂に行ってきました。
サンティアゴ聖地は、バチカン、エルサレムと並びキリスト教の世界三大巡礼聖地になっています。私はキリスト教徒でないのですが、これで三大聖地を礼拝したことになりました。
ここサンティアゴ「聖地への道」に、フランスからおよそ800キロの巡礼路を30日ほどかけて行く人もいます。最短100キロを越えると巡礼者として承認されます。日本でいう四国のお遍路八十八ヶ所霊場巡りです。私にはそれほど時間的な余裕がないのでポルトガルのポートから近道裏街道をバスで一日巡礼でした。神よ怠惰な私を許したまえ。
これまでに何回も教会を巡りましたが、イエス・キリストが十字架に架けられ、頭をうなだれ、血が額から顔へ、右胸や手足から流れ落ちている姿にどうしても馴染むことができません。そのぶん脇に立つ聖母マリアに魅かれています。今回もサンティアゴ大聖堂で美しいマリア像に出会い、回廊を数周してはその前に立ちすくみました。
このマリアの絵を購入したく、聖堂の売店、周辺のおみやげ店をさがしましたが、なぜか一枚も見つからず、サイトを検索しても見つかりませんでした。なぜだろう、、両手を広げていつでも会いにきなさいということなのか。
巡礼の帰路、スペインとポルトガルの国境の城壁からサンティアゴの空を眺めると、夕焼けに虹がクロスしていました。
さてと、12月をはじめよう。