客家人の続編になりますが、近代以降、中国、東南アジア、台湾の歴史上に輩出した客家人物一覧をみてゆきますと;
「中国」
洪秀全(太平天国天主)。孫文(中華民国初代総統、国父)。宋慶齢(孫文夫人大財閥令嬢)。宋美齢(蒋介石夫人宗姉妹)。朱徳(中国共産党初代元帥)。鄧小平(共産党元老)。葉剣英(中国共産党元老)。葉選平(広東省長)。廖承志(中日友好協会会長)。李鵬(元国務院総理)。朱鎗基(国務院総理)。郭沫若(全人代副委員長、文学者、中日友好協会会長)。
*毛沢東が瑞金の客家地区で党の実権を掌握したこともあり、共産革命の初期から多くの客家が食い込んでいました。いわばソ連革命におけるトロキスト集派です。
「香港」
李嘉誠(長江実業グループ、香港最大の財閥)。胡文虎(タイガーバーム創設者、星島日報グループ創設者)。
*香港は漢人700余万(93%)うち3分の1の200万人が客家となっています。
「台湾」
李登輝(第8,9代総統)。陳水扁(第10,11代総統)。馬英九(第12,13代総統)。蔡英文(第14代現総統)。粛万長(行政委員長)。謝長廷(現駐日代表)。王永慶(台湾プラスティック、台湾最大の財閥)。
*李登輝以後の総統は見事なまでに客家が続いています。彼らの政治好きを象徴しています。私も数人の客家人を採用してきましたが、いずれも優秀でしたが、家系独尊で協調性に欠けています。1人1人で雇用するのはいいのですが組織的には難しいです。 おそらく蓮舫の対応はクールなものになるでしょう。
「シンガポール」
リー・クァンユー(初代首相)。ゴー・ケンスイ(第一副首相)。ゴー・チョクトン(第2代首相)。リー・シェンロン(第3代首相)。
*台湾同様ここでも3代首相が客家になっています。シンガポールの人口約470万人のうち40万人(12%)が客家となっています。
「タイ」
タクシン・チナワット(首相)。インラック・シナワト(首相)。 アピシット・ウェーチャチーワ(首相)。チン・ソポンパニット(バンコク銀行創業者)。
*タイでも中華系として客家が活躍しています。
「マレーシア」
ロバート・クオック(クオック大財閥)。 ロイ・ヒャンヒョン(マーポーグループ、最大の金融会社)。
「カンボジア」
シアヌーク(元国王)。
「インドネシア」
スドノ・サリム(サリムグループ創業者)ジュハル・スタント(スドノ・サリムの片腕)。 ワヒド(元大統領)。
「ミャンマー」
ネウィン(ビルマ初代大統領)。
「フィリピン」
コラソン・アキノ(第11代大統領)。ベニグノ・アキン(第15代大統領)。
アロヨ(前大統領一族、ロビンソンのゴコンウェイ財閥)。ドゥラルテ(現大統領、家系からみた推測)。
*日本では女優の余貴美子さんの家系図が客家となっています。
*以上のように、中国、台湾、東南アジアで客家系が燦然と活躍しています。
客家世界大会がありますが、同族としてのシンパシーはあると思いますが連携はありません。かつて台湾が中華大経済圏を提唱したことがありましたが、これはかえって各国住民との軋轢を生むことになり立ち消えになりました。華僑は現実的な異邦人であり、華人と中国人とのアイデンティティーの狭間でどうバランスとって行くのかが難しいところとなっています。「屋根の上の胡弓ひき」です。
客家人(続)
トラックバック(0)
トラックバックURL: https://www.tempu-online.com/mt/mt-tb.cgi/170
コメントする