中国は街なかの標語を見ると、いまなにが国家目標なのか一目瞭然となります。
今回の旅で上海空港の至るところで見かけた標語は、「中国之夢」の続きで「一帯一路構想」に変わっていました。これは明らかに9月4日、5日に杭州市で開催されるG20サミットに合わせ上海空港に降り立つ外国要人向けの標語になっています。
今回G20のテーマは「革新、活力、連動、寛容の世界経済の構築」となっています。そのためのプラットホームとして「一帯一路構想」と、中国主導による「AIIB」(アジアインフラ開発銀行)の推進としています。
「一帯」とはユーラシア大陸を、中国西部から中央アジアさらに西アジアからドイツまでつながる「シルクロード経済ベルト」で、「一路」は中国東部から南シナ海、インド洋、アラビア海を経て地中海に至る海上交通ルートで「海上のシルクロード」と呼ばれているものです。
南シナ海における自国の軍事覇権など素知らぬ顔で、経済減速による国内の大過剰在庫と失業のはけ口、かつBIIBを通し外国からの資金を集めて「一帯一路」とは、まったく手前勝手なご都合主義の構想です。この虫のよさ、さすが俺様は中華です。
しかし、我々はここで2つの事に注意しなければと考えます。
一つはこうした構想を打ち出してくる中央高級幹部の優秀な頭脳と戦術は侮ることはできません。
それに構想の成敗は別として、国家百年計画を設定し着々と各地に拠点を築いていることです。彼らの言う「核心的利益」とは、この構想に沿っています。南シナ海や尖閣諸島における覇権もこの線上からみないと理解できません。
これは大中華帝国の復興の見果てぬ夢であり、かつてユーラシア大陸を支配したジンギキスカンの再来の夢です。しかし、いま世界の国々を見わたし国家百年の計画をかかげている国が他にあるかと言えばありません。この構想は我々にとり警戒すべき現実です。
私は次回10月は香港と台湾の出張となっていまして行けませんが、12月に西安の「一帯」を見てきたく考えています。
一帯一路シルクロード
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