先の参議院選と都知事選は絶妙な政治力学でした。私が納得できる政治評論が見つかりませんでしたので、強いて私のコメントを書くことにしました。
いま女神が安倍首相に微笑んでいる様です。参院選挙は勝ち過ぎもせず、傲慢になることなく緊張感を持たせ、かつ改憲に必要な衆参両院の3分の2を確保しました。そして時意を得た平成天皇の「生前譲位」の国民への問いかけです。
都知事選では自民推薦の知事が連続不名誉な辞職で「2度あることは3度ある」のか「3度目の正直」なのか。党としては3度目のミスは許されないので、身体検査で安全な実務型候補者として増田氏を推薦し、劇場型の小池氏との分裂選挙にして、都民に選択を委ねました。いわば高等な二面戦術です。
ただこの際に野党統一候補の鳥越が2位になれば、1年以内に小池氏が野党の攻勢でこけた時に鳥越が繰り上げ知事になるリスクがあるので自民党は1、2位を死守の保険をかけました。幸いなことに鳥越が予想通り自業自爆で、統一野党と一緒に集団自殺でした。民退党の岡田党首は無責任にも選挙の前日に沈みゆく泥船から敵前逃亡です。小池氏の選挙戦術の「緑」は、そのまま台湾民進党の「緑党=民進党」なのですから、なんという皮肉なことでしょう。
小池氏の離党うかがいは谷垣幹事長がお預かりのまま入院してしまいお蔵入り。さらには犬猿の仲という小池氏と五輪組織委員会長の森喜朗氏との仲を修正するには、双方が安倍首相におもねざるを得ません。それにしてもパンドラの箱を開けたかのような21名の個性的な候補者、桜井、立花、赤坂諸氏等(私めはスマイル支持で立花シンパ^^;)、さすが東京でしてバラエティーに富んでいました。これほど絶妙な脚本は女神にしか描けません。
絶妙な政治力学
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