荘厳のアルプスから下りてきたため、東京都知事選挙の喧噪が一段と大きく響いてきてしまう。
私は都民でないので距離を置いてますが、社会現象として見てゆくと、戦後一貫して左翼陣営と言われてきた集団が、いよいよ自壊過程に入ってきたようです。平和憲法を盾に偽善を謳歌した人々が、改憲を待つこともなく自滅しています。私たちはいま左派陣営の凋落を、目の当りにしています。
野党は統一候補として都庁の近くを徘徊していた「ボケモンGo」をゲットして一緒に自業自爆するようです。選挙カーの壇上に出揃った各党首を前にして「ボケモン」がマイクを握った場面に、盛者必哀の憐れみさえ感じてしまう。
どうしてこうなたのか、ネット配信の時代になりこれまでの誤摩化しや偽善が通用しなくなったからです。つまり化けの皮が剥がれてきたことが大きいと思う。しかも偽善剥がしが戦争を知らない若い世代によって行われています。
こうした若者の感性を40年前に先取りした三島由紀夫はやはり天才ですね。遺言に「私はこれからの日本に大して希望をつなぐことができない。このまま行ったら日本はなくなってしまうのではないかという感を日ましに深くする。日本はなくなって、その代わりに無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、或る経済的大国が極東の一角に残るのであろう。それでもいいと思っている人たちと、私は口をきく気にもなれなくなっているのである」。
三島が口をきく気にもなれずに嫌悪した人たちが、いまになりやっと自滅をはじめています。しかし、天才三島にしても予言できなかったことは「後に続く者」が、いま三島の希望をつないでいます。「無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、或る経済的大国が極東の一角に残るのであろう」事を、拒絶して新しい日本を再生しようと、極東から白光がさしそめました。
民族のもつ遺伝子が、時空連続体として息を吹き返しつつあります。若者の意志は常に明日を生きようとする衝動であり、たのもしい限りです。
ボケモンGO!
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