目下TOPを走り続けてるアヒルですが、ドナルド・トランプに関
して書くと、どうしても中傷気味になってしまうので気が重いので
すが、思うところを正直に書いてみます。
私の回りにも熱心なトランプ支持者がいますが、私は彼の動作と
スピーチに20秒も耐えられず、テレビから離れてしまっています。
そんな彼がなぜいまだにトップを走るのか理解できずにいます。
先ずは肯定面から、ドイツ系の父親とスコットランドからの移民
の両親のもとで厳しく育ったといいます。意外なことに酒もタバコ
もやらず、吝嗇家で真面目なプロテスタント。祖父の代から不動産
業で、彼も名門のビジネス・スクールのMBAを卒業して不動産業で
巨財を築いています。
小さい頃から異常に自己顕示欲が強く、「俺様はスーパマン」だ
と思っているのでしょう。政治家としての実務経験はなく、思想的
にもたいした深みもない典型的なポピュリストです。7年前までは
民主党員でビル・クリントにも政治献金していましたが、民主党か
ら出馬のチャンスがないと見ると、いつの間にか共和党員に鞍替え
しています。ですので共和党の主流からは、「奴は今でもニュヨー
クのリベラルだ」、「民主党が放ったトロイの馬」と、信用されて
いません。
それが「既成政党をぶっ潰す」と、小泉純一郎ばりの台詞を吐い
て出馬し喝采をあびています。当初はまたトランプの売名行為でじ
きに消える沫まつ候補とみられていました。が、今回は緻密に戦略
を練って出馬しています。目的は「俺様は大統領なる大物」の野望
だけで、その先の事はそれから考えればいいといったものです。
トランプ戦略をビジネスに例えてみますとよくわかります。今回
は念密にマーケットリサーチをし、各顧客年代別のニーズに合わせ
た商品をバーゲン・セールしています。
マスコミ向け選挙戦略として、自らピエロを演じ、計算し尽くし
た逃げ道のある暴言を、故意に連続的に吐いてマスコミの時の人に
なっています。話題を提供し、テレビ視聴率に奉仕し、新聞雑誌の
部数に貢献することで、ニュースが彼に集中する相乗効果を狙てい
ました。
そして、自分は富豪のひも付きでなく、自分の資産で選挙運動を
していると言いながらも、未だにたいした選挙費用を使うことなく、
マスコミが彼の無料広告してくれています。マスコミは話題性があ
り視聴率や発行部数が売れさえすれば、どの候補でもいいわけです。
マスコミは彼に見事に乗せられました。
同時に自分の金で選挙戦をしているのは私だけで、他の候補者は
みな金持ちのひも付き代弁者だと糾弾しています。これは実に巧妙
したたかな説得力があり、多くの有権者が自分たちの代弁者だとみ
ています。
45歳以上の低所得層向けには、国民保険を打ち出し、反移民、
反自由貿易を訴え、高卒以下のブルーカラーには、国内産業の復興
で職の確保を提唱しています。また高学歴で没落気味の中間層向け
には自ら穏健保守を演じて白人社会の復権をうたい、各層で多くの
支持者を獲得しています。
ここらあたりの巧妙な選挙戦は、ビル・クリントンから学んだの
だと思うが、各層の有権者にバラ色の空手形をふりまいています。
でも、東洋の叡智に「美味い話には裏がある」とあります。(続)
ドナルド・トランプ(1)
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