アルプスの精霊

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71J8Ez6u0QL.jpeg 昨日アマゾンから「アルプスの少女ハイジ」(ポプラ社)がやっと配送されてきました。1ヶ月前に注文したのにどうしたのか、もう絶版かと思っていましたら、今月の新刊でまだ印刷の温もりがありました。
 いい歳をしたオジンが童話とはまったく絵になりませんので注文するのをためらったのですが、時には母のない子のように、黙って〜童話を読んでみたい〜♪心境でした。
 童話ですので1時間くらいで読み終えてしまうのですが、アルプスの原風景の素描でいくつか確認したいことがありました;

 「遠くの山が夕やけで赤くかがやきはじめます。『山がもえてる!』『バラ色にかわっていく。なんてきれいなの。まほうみたい。あ、こんどはうすむらさきになっていく、、、きえちゃった。どうして』『いつもこうだよ。さあ、もう帰ろう。明日もくれば、見られるさ』
 「一年ぶりのアルプスです。すんだ空気、木ぎの葉をはじくお日さまのにおい。ゆるやかな丘のそこかしこで、牛たちがのんびり草をはんでいます。ガランガランとひびくにぶい音、牛たちが首にかけたカウベルです。なにもかもが、なつかしく思えます」
 「夢みたいだけど、夢じゃないの。パパ、わたし歩けるようになったのよ」、『奇跡だ』、アルムおじんは『いやこれはアルプスの空気のせいでしょう。山にはふしぎな力があるのです』。
 私が思っていた通りの詩的な表現でした。
また、この童話の裏側にはもう一つ隠されたアルムおじんの癒しの物語がひそんでいます。
 「アルムおじんは若いころ外国に傭兵となって戦争にでかけたことがあったのです。そこでつらいことがあったらしく、もどってきたときには、人がかわったように無口でぶあいそうになっていました。そして、ひとりアルムの山にひきこもってしまったのです」。ここには「嘆きのライオン」の姿が重なります。それがハイジの天然によって癒されてゆくのです。アルムおじんは涙ながらに「わしはずっと、神さまに見すてられたと思っていたんだ。でもそうじゃなかった。神さまはちゃんと見まもってくださっていたんだよ、こんなおろかなわしのこともな」。

 童話ですがここにアルプス人の精霊、霊感の原泉をみる思いでした。いい歳のオジンになっても、時には童話で眼をウルウルさせるのもいいものです。

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このページは、三休が2015年11月18日 00:49に書いた記事です。

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