でも、ギリシャはやはりエーゲ海がいい、古代遺跡によくにあう;
南を向いてる窓を明け
一人で見ている海の色
美しすぎると怖くなる
若さによくにた真昼の蜃気楼
Wind is blowing from the Aegean.
(詩・魅せられて)
旅から戻ると11月が終っていた。
急用のため明日から長野へ向かうことになってしまいました。
12月も忙しい中ですが、よい月にしてゆきましょう。
アメリカの大統領選挙まで1年を切りました。
民主党の候補者はほぼヒラリー・クリントンで決まり。共和党は誰になるのか今の時点で予想がつかないが。ヒスパニク系のマルコ・ルピオがダークホースになりつつあります。クリントンVSブッシュではいかにも使い古された名前で、他に人材が出てこないものかと待機中。とはいえ私は選挙権がないのでよそ者ですが、まぁオバマの後に誰がなろうと次は強いアメリカを志向することと思います。誰になってもオバマよりまし。
ひさしぶりにアメリカ関連の本、ジョセフ・ナイ著「アメリカの世紀は終わらない」--Is
The American Century Over?--(日本経済新聞)を読んでみました。著者はクリントン政権時代の国家情報会議議長、後に国防次官補を歴任。目下ヒラリー・クリントンへ売り込み中の著書になります。
著書の内容は横帶にあるよう「『中国の世紀』到来論は誤りだ。アメリカの地政学的優位は揺るがない」と、アメリカの優位性は少なくとも21世紀中頃までは続くと論及し、だがこれまでとは異なる新たなリーダーシップが必要だとしています。
私はこの内容におおむね同意でして、アメリカの優位はこれからも続くが、単独の「アメリカの世紀」としてでなく「アジア太平洋の世紀」として進展して行くと思う。アメリカ一国でなく太平洋諸国と連携したチームリーダーとして優位を確保して行く道です。ですから日本も同盟国としておおいに活躍が期待されてきます。
しかし、アメリカ国内は年々変色しています。すでにWASP色が薄まり(人口比でヒスパニック系が16%)、かつてのアメリカでなくこれからさらに変色して行きますので、日本はその変化を見極めながら対応して行くことが必要になってきます。
国際政治の動きをみていますと、結局は軍事力と経済力がものをいう世界だとわかる。南シナ海での米中対立にしても「話してもわからず」最後は武力ですし、もしアメリカに軍事力がなければ、南沙諸島は中国に占拠されてしまうわけです。
今回は米軍の武力の前に中国が面子を保ちながら暫時退却すると思うが、それにも中国の経済力の停滞が影響しているからです。
今年の「ネットの自由度」の報告書によると、65カ国を対象に調査した結果、世界は5年連続で自由度が悪化しており、そのうち最悪なのが中国、次いでシリア、イランとなりました。この5年連続は中国経済が減速を始めた5年と比例しています。私の持論「経済力と自由度は比例する」です。
私はここまでは体験的にわかるのですが、その先の闇が見えないわけです。中国政府は10月に「一人っ子政策」を廃止して二人までよいと発表しました。しかし私の知り合いの範囲ですが、一人っ子の家庭などわずかで、2人が普通、3人、4人の子持ちもいます。汚職利権でして役人に賄賂を渡せばいくらでも産めるのです。ただ1人以外は戸籍が持てず「黒子」となりますが、金持ちなら戸籍も賄賂で取れます。こうした数えられない黒子が1300万人以上(推定)はいるだろうといわれてますので総人口の1%になります。
この黒子と賄賂利権は単なるひとつのケースでして、権利=賄賂が暗黙の社会制度ですから、汚職はどの組織でも行われています。汚職は拝金主義の原泉でこの役得地下収入がGDP比12%〜20%といわれています。そうでなければ薄給の学校の教師が日本にきて爆買いなどできるはずがありません。このタンス貯金があるので多少のインフレや不景気でもおとなしくしていますが、いつまで持ちこたえられるのだろうか。
その上に、党内がすさまじい死活の権力闘争、北京や上海の都市部と農村部との貧富の格差は二つの中国を呈しています。いま経済再生の柱として内需の拡大を奨励していますが、不動産も株も低迷しているなかどのようにタンス貯金を吐き出させるつもりなのだろうか。またタンス貯金は内需拡大の決め手になるのだろうか。これから5年間の経済成長率6.5%を維持して行くというが、果たしてそれが可能なのだろうか。
このあたりが闇のなかでまったく見えません。立て前の"Trick"(まやかし)が多過ぎて本音の"Treat"(おもてなし)などできない状態です。