中国人社会の現状はニヒリズム(虚無)そのものというのが私の持論です。指導者が「中国の夢」をスローガンに掲げるのも、夢なき虚無の裏返しになっています。長らく中国ニヒリズムを論及した研究書がでないものかと思っていましたら、それに近い著書が出版になりました。
石平著「中国人はなぜお金しか信じないのか」ー中国三大宗教と共産革命の悲劇ー(KKベストセラーズ刊)。本書では「ニヒリズム」の語彙がまったく使われていませんが、中国人がニヒリズムに陥ってゆく過程を簡明に論及していました。本のタイトルは出版社が決めるのですが、「中国ニヒリズム」とすべきでした(これではタイトル買いがないと思いますが)。
石平氏(2007年に日本に帰化)は、北京大学で哲学を専攻したこともあり、中国人がなぜ倫理・道徳を崩壊させてしまい、ひたすら「拝金主義」に走り、自分が得をするためなら、他人などどうなろうともかまわないというまでに堕落してしまったのかを、中国現代史をふりかえり信仰と精神面から論及しています。
氏はこの問いに5年間コツコツと資料に当たって書き上げています。石平氏の著書はこれまで中国の政治的、時事的なものが多いなかで、本著書は文化的に掘り下げていまして、氏の代表作になるかと思います。
長年にわたり中国を見てきた私に最もしっくりと頷ける内容でした。私が天安門に毛沢東の写真が掲げてある間は北京を敬遠するのも、また私が中国人を無下に突き放せないのもこんなところにあるようでした。
そんなことで中国を理解するうえで興味のある方にお薦め本です。
石平著「中国人はなぜお金しか信じないのか」ー中国三大宗教と共産革命の悲劇ー(KKベストセラーズ刊)。本書では「ニヒリズム」の語彙がまったく使われていませんが、中国人がニヒリズムに陥ってゆく過程を簡明に論及していました。本のタイトルは出版社が決めるのですが、「中国ニヒリズム」とすべきでした(これではタイトル買いがないと思いますが)。
石平氏(2007年に日本に帰化)は、北京大学で哲学を専攻したこともあり、中国人がなぜ倫理・道徳を崩壊させてしまい、ひたすら「拝金主義」に走り、自分が得をするためなら、他人などどうなろうともかまわないというまでに堕落してしまったのかを、中国現代史をふりかえり信仰と精神面から論及しています。
氏はこの問いに5年間コツコツと資料に当たって書き上げています。石平氏の著書はこれまで中国の政治的、時事的なものが多いなかで、本著書は文化的に掘り下げていまして、氏の代表作になるかと思います。
長年にわたり中国を見てきた私に最もしっくりと頷ける内容でした。私が天安門に毛沢東の写真が掲げてある間は北京を敬遠するのも、また私が中国人を無下に突き放せないのもこんなところにあるようでした。
そんなことで中国を理解するうえで興味のある方にお薦め本です。
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