2014年11月アーカイブ

感謝祭の日に、、

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img_0.jpeg 感謝祭、Thanksgiving Day. アメリカで私の一番好きな祝日です。
 移民による民族の坩堝で構成されてきた人口国家のアメリカ人には、あまり共通した祝日がありません。新年にしても各民族が固有の暦で迎えています。クリスマスもキリスト教徒の祭日でして、各民族にはそれぞれ信仰する神の祭日があり、共通した祝日でありません。
 しかし、感謝祭はこの国に移民して生存できたことを、神に感謝する共通の祝日になっています。感謝祭の由来は1620年に新天地を求めて第一陣の移民団が東海岸に辿り着き、きびしい越冬のなか多くに死者をだしながら、先住民インデアンからトウモロコシの栽培などを習ってサバイバルできたことを、翌年の収穫期に神と先住民に感謝して宴を催したことにはじまります。独立記念日は英国から独立した共通の祝日ですが、本来なら生存自立できた感謝祭こそ記念日に相応しいと思う。
 私らもこの国にきてビジネスをはじめ、最初の3年間は生存して行けるかどうか予測できませんでしたが、4年目にしてどうにか生存の目処が立って以来、感謝祭を厳粛に迎えています。ちょうどクリスマス商戦の出荷が一段落する日でもあり、1年の収穫を祝い感謝してきました。
 毎年6日間の休日をとり家族で海外旅行に出かけ感謝の祝杯をあげてきました。今年は旅行をせず我が家でボジョレーワイン2014とサンクスギビング・ターキーで過ごします。
  ありがたき 姿おがまん かきつばた (芭蕉)
 この日はどこにでも生えている素朴な草花にも有り難く感謝、すべてに感謝、感謝です。

 以下は余談なりますが、自社に「スミス」という姓の社員がいます。彼は1620年に東海岸プリマスに渡った末裔とのことです。アメリカには「スミス」姓がたくさん居ますので、彼が自己紹介する時にはいつも「オリジナルのスミスです」と言って笑わせています。
 先週、クリスマスシーズンで多忙のため、中南米から移民して3ヶ月の人を雇用しました。英語がぜんぜんできないので通訳を通して私に、「仕事の機会をくれて感謝しています」とのことでした。こうした感謝の気持があれば言葉ができなくもやってゆけるでしょう。この国は感謝(Appreciate)を知る者を受け入れるだけの度量があります。
 これもまた余談ですが、昨日、日本航空から感謝の楯が送られてきました。私の飛行距離が200万マイル(約320万キロ=地球80周)を越えた感謝とのことです。
 さてさて、これからどれくらい飛び続けるのだろうか。それでは久しぶりに飛んできます。
みなさんもよい師走をお迎えください。

白秋の老犬

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IMG_0403.jpeg                            (白秋の公園 11/23)
 経営者は経営管理と資産管理の両方ができて一人前です。
 私もいちようは両管理をやってきましたが、決定的に欠落していたのは、お金に対する執着というか厳しさが希薄だったことでした(ようはアマちゃん)。
大きく成功した経営者に共通していますのは、みなこの執着と厳しさをもっています。
 その意味で私は二、三流の経営者だったかなと反省していますが、持って生まれた性格を、今さら変えようとしたところでどうなるものでなし "
You can
't teach on old dog new tricks."(老犬に新しい芸を教えることはできない)で、まぁそれでもいいかなと思っています。
 先週末は必要が生じてグローバル時代の節税対策の関連書を、二夜漬けで勉強しました。なんだか受験勉強でもしているかのような味気なさで、ぜんぜん心が暖まらず困ってしまった。しかたなく「期待の科学」 "Mind Over Mind
"(期待力の驚異)という本を平行させ、一章毎に交互して読み進めてやっと読了しました。
 私は日本人の誇りとしてこれまでアメリカで日本国籍を保持してきましたが、それが日本の税制上では却って負担になってしまうようです。日本の税制からみますと、あたかも国籍の放棄を奨励しているかのようで、矛盾したおかしな話です。確かに税制上ではそうした方が有利のようですが、これは不利、有利という数字の問題でなく哲学になってきます(こう思考してしまうところが執着のなさというわけなのです)。
 それでも私は最後のサムライとして日本国籍を堅持して行こうと考えていますので、これから老犬の背をむち打ち、グローバル化時代の税制の勉強に挑戦したく考えています。
 これで私もやっとワン流になれるかもしれない、、

Let it go or Let it be.

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38846452_163x291.jpg 先週末ショピングモールに行きましたら、クリスマス商戦がすでに始まっていました。もうすぐクリスマスです。
 クリスマスのギフト商品が棚にたくさん積んであり、
なかでも子供向け「アナと雪の女王」と「雪だるまオラフ」のアニメ・キャラクターのついた商品がずら〜と並んでいました。
 「アナと雪の女王」の主題歌
"Let it go"を「あるがままに」と意訳したのは上手いですね。本来の歌詞の意味からすると、「気にするな」、「ほっとけよ」、「もう忘れよう」くらいのニュアンスですが、これを「あるがままに」と訳したことで、日本でも大ブレイクしました。
 「あるがままに」の訳でしたら、ビートルズの"Let it be"の方がより近い感じですが、こちらの訳は「なすがままにしておきなさい」となつてどうもいただけません。「あるがままに」の方がよかった(残念)。どうりで意訳せずそのまま "Let it be" になっています。たぶん訳として字余りですし英文がより心に響くからなのでしょう。
 文化の違いでオリジナルの歌詞をそのまま直訳できないのが難しいところです。それでも他の歌詞の翻訳を見ますと、その多くが日本人好みの名訳になっています。日本訳の詩的感性をもっとほめてやってもよいかなと思います。
 「あるがままに」の英訳はやはり"Let it be"に軍配をあげたく思います。ビートルズと同じ時代を共有してきたからか、自然に口ずさむのは
"Let it Go "でなく "Let it Be"の名曲がしっくりきます。
   "When I find myself in time of trouble
     Mather Mary come to me

     Speaking words of wisdom, let it be.〜♪"

哀悼:
 今月10日、あるがまま不器用な男を演じ続けた高倉健さんが逝かれました。ご冥福をお祈りいたします。

権威と権力

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IMG_0396.jpeg                            (朝もやの公園。11/12 7am)
 日本
政界は11月に入り突然に解散風が吹き荒れ、私の常套語である「常在戦場」のお株を、すっかりもって行かれてしまいました。政界は一寸先がもや、先生方が走り出し慌ただし「師走」になりそうです。

 先日は北京で開催されたAPECでの首脳たちの演技を見ていました。
安倍首相とホスト習が握手した時の大根役者ぶり、いかに国内向けとはいえどあのこわばった顔は見るに耐えませんでした。それだけ主席が国内で追い込まれているのだと思いますが、中国風大人はどこやらで人物が小粒になりました。

 オバマ大統領はまたしてガムを噛んでいて中国へ敬意がないと顰蹙をかいました。朴大統領は中国へ前のめりに歩み寄りFTA締結への媚び。締結したのは韓国だけで、急いては事を仕損じるのですが、彼女も国内で追い詰められていてその余裕なしです。もはや口だけ番長のオバマ大統領と習ホストが歓談中の隙に、プーチン大統領が習夫人を射止め肩にケープをかけてやっているシーン、何が気にいらないのか検閲にかかりCNNでも中国のサイトで消除されました。中国では夫人に好感を持たれることが第一の条件(プーチンは役者やの〜、よ〜ぅ大統領!)
 権威と権力を兼ね備えた政治家など希有ですが、大統領は国の象徴として国民からそれを要求されていますので、晴れの舞台で権威と権力を具備しているかの如くにふり舞わねばならないのが辛いところです。
 そこへゆくと安倍首相は政治権力だけ演じればいいので気が楽です。仮に安倍首相が権威をそこねたとしても、まだその奧に天皇の権威がおわします。しかし、APECに参加した大統領や主席がこければ権力があっても権威失墜につながり、国にバックアップのシステムがないので虚勢をはってでも権威があるかの如く演じ続けなければなりません。

   天秤や 京江戸かけて 千代の春 (芭蕉) 

 そのような事で権威の象徴として天皇のご存在は有り難いことです。
日本の文化は対極の二元で構成されていまして、古くは利休と秀吉に対比されるように、京都の天皇文化と江戸の将軍文化の二元文化になっています。今風に言えば文化的な権威と政治的な権力を明確に区別してきました。腹のたしになる「権力」に、政治、経済、社会秩序を委ねて、心のたしになる「権威」に、祭祀、詩歌、文学、絵画、建設などの精神を委ねて、京都の権威と江戸の権力を、天秤にかけ巧妙にバランスをとりながら「千代の春」をひき継いできました。民族の叡智に感嘆です。それを芭蕉は33歳の時にすでに日本文化の特質を認識して発句していたのですから、こちらにも感嘆です。
 APECの役者たちを見ながらしみじみ日出づる大和国の奥深さを感じた次第。どうやら日本が天皇をいだくかぎり大統領制は不要な様です。

日はあかあかと秋の風

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s28471.jpeg 11月4日のアメリカ中間選挙で民主党が惨敗、共和党が上院、下院の過半数を制して圧勝でした。
 共和党は8年ぶりに過半数奪回しましたが、今回は大統領選挙がないので政権はあと2年間そのままとなります(あ〜もう待てない)。

 今回の共和党の圧勝は、口だけ番長で何もしない、やる気もない無能なオバマ大統領の敵失によるものでした。6年間も彼の無能を見せられて、彼の支持者もさすがにうんざりしていたのだと思います。さりとて大統領の批判は人種差別主義者と糾弾されるので、彼を批判することもできない閉塞感を選挙で洗礼したわけです。だめなら代える民主選挙制度とは時にはいいものでして、6年ぶりに胸のすく思いです。
 私はアメリカの居住権(グリーンカード)を持っていますが、市民権を選択せず日本国籍を保持しているので選挙権はありません。つまりは異邦人として住まわせてもらっているわけですから、アメリカの政治については意識的に一切の政治活動を控え、母国に関すること以外は一線を引いて極力言及しないできています。それが異邦人として住むこの国に対する礼儀と心得ています。
 国籍のない外国人に参政権がないわけで、それでいいと思って全く気にしていません。日本おける外国人参政権の論議が偏向してます。そのかわり日本には選挙権がありますので、日本の政治に関しては一言居士となっています。
 それでも今回オバマ大統領に鉄拳がくだったことに(彼は責任を外部におしつけてぜんぜん反省していませんが)、この国の選挙民はまだまだ健全だったと安堵しました。
 民主党の巣窟であるニューヨークですら、エンパイア・ステートビルに共和等のカラーである赤いLEDライトが点灯しました(だからアメリカはおもしろい)。私も赤く燃えた秋を撮ってみました。

   あかあかと 日はつれなくも 秋の風 (芭蕉)

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なにやらゆかし、、

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69.jpeg おもしろき こともなき世に おもしろく
          住みなすものは 心なりけり(高杉晋作)

 この世はつまらないと思えばつまらないし、おもしろいと思えばおもしろい、すべては心の持ちようということのようです。
 171年ぶりの「後の十三夜」にしても、「それがなんなの、同じ月じゃん」と、言ってしまえばそれまでのこと。それを 「おもしろい」とメイクドラマにするのも心でして、人間特有の想像力です。つまるところ生活に情味を感じて活きて行くと人生はなにやらゆかしで、同じ一生ならおもしろく過ごしたいものです。
 今日はそんなおもしろい情味な私事です。
 私の娘が30年前にこの世に生まれてくる年に、私はスイスを旅行してチューリッヒの旧市街地に在るグロスミュンスター大聖堂の前で厚いオーバーを着た姿で記念写真を撮りました。これが父親になる直前の写真なので額に入れ群馬の実家に飾ってありました。しかし、そんな事も何時どこで撮ったのか、母が額に入れて飾ったのか、すっかり記憶から消えていました。
 30年後に娘がこの大聖堂に近隣するシティーホールでスイス人と入籍をすませ後、同じ大聖堂の前で2人が寄り添って記念写真を撮っていました。奇しくも双子の塔の大聖堂の前で、二枚の写真が時空を超えてパズルのようにつながりました。
 ただそれだけの事ですが、なにやらゆかし不思議な偶然でして、私が興奮気味に妻に話したら、「それがどしたの、前世でなにかとでも言いたいの」と、クールにかわされてしまいました。おもしろがる私とクールな妻とでうまく夫婦のバランスが取れていまして、これもまたおもしろい。
 世のなか心ひとつの置きどころ、丸い卵も切りよじゃ四角です。

後の十三夜

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 IMG_0378.jpeg 「後の十三夜」ミラクルムーン、年に3回目となる珍しい名月。
 前回の「後の十三夜」は1843年江戸時代後期と言うから171年ぶりの名月です。
 
旧暦では3年に1度「うるう月」を入れて季節とのずれを調整し、今年は171年ぶりに9月にうるう月が入り、11月5日が3度目の「後の十三夜」の名月となりました。
 「千里の好風一夜の月」、旧暦はなんと悠久な歳時記なのだろう、次回の「後の十三夜」は95年後の2109年になる、その時どこで月を観賞していることになるのやら、楽しみにしよう

 月を見て 心浮れし いにしへの 
          秋にもさらに めぐり逢ひぬる (西行)

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ミライ、文化の日に

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 先週、新郎新婦を乗せるために2015年型の車をリースしました。
 35歳から同じ歳頃のセールスマンと互いに齢を重ね、これが12台目の乗り換えになりました。彼は近く退職するので私との最後の販売車になるためか、これまでの謝辞を丁寧に述べた後、私好みの車を選りすぐってくれたようです。今回の車が私と一番相性があいそうなので大切に乗ろうと思っています。
 週末の小春日和試乗かたがたクラシックを聞きながらドライブしていましたら、道端のコスモスが秋風にゆれてダンスをしているかのようでした。晩秋の哀愁の風に揺れるコスモスはほんと美しい。
「秋桜」を歌にしたさだまさしさんはさすがですね、、、
「ありがとうの言葉をかみしめながら 生きてみます 私なりに こんな小春日和の穏やかな日は もう少しあなたのそばにいさせてください〜♪」
 
20141009-OYT8I50064-N.jpg  トヨタ自動車は今月18日に発表予定の水素と空気中の酸素を反応させて走る燃料電池車「ミライ」を、愛知県で開催中の全日本ラリー選手権でコースの安全性を確認する先行車としてお披露目をしました。

 「ミライ」は水素と酸素の化学融合で走る燃料電池車で、走行中は水しか出さないため究極のエコカーとなります。この車を12月に販売を予定しているといいますからすごいことです。いよいよ水素社会の幕開けをつげるまさに「ミライ」です。
 燃料電池は水素と酸素が化学反応し水に変化する過程で電気を発生させる装置です。発電時のエネルギー効率が高く、水素と酸素の反応により水が生成されるだけですので廃棄物ないことから、車だけにとどまらずクリーンな次世代の発電装置として期待されています。
 原理的にはそうわかっていても、実際にこれを実用化させるまでには大変な研究開発になります。まだまだこれから紆余曲折があると思いますが、トヨタが燃料電池ラリーの先行車となりました。

 先のLEDのノーベル受賞者の研究所にもトヨタの関連会社が資金援助していたようですが、「ミライ」の開発者もノーベル賞級かと思います。日本の基礎研究と開発者を大いに誇りとしたいものです。

黎梅

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250px-Prunus_mume.jpeg 当地はハロウィンが過ぎ今日から冬時間。午後4時半頃になるとすでに夕闇になり長〜い夜へと続きます。
 時計の針を1時間戻し、日本との時差が14時間。今年もこれで第4コーナーを過ぎ、時は感謝祭からクリスマス、そして新年へと一気に流れだします。
 私は第4コーナーから、時の流れに抗して冬ごもりになるようです。
「愛は花、君はその種子(The Rose)」、、雪に埋もれていても 種子は春のお日さまの愛で 花開く〜♪ を聴きながら冬ごもることにします。
 「先ず祝え 梅を心に 冬ごもり」(芭蕉)

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