長谷川慶太郎著「大破局の『反日』アジア、大繁栄の『親日』アジア」(PHP)今日2014年9月1日発行を、アマゾンで予約し8月28日に読了しました。驚くべきアマゾンの迅速さです。
私は長谷川氏の30数年来の大フアンでして講演も拝聴しています。肩書きは経済評論家ですが、国際政治、経済、軍事方面にも造詣が深く経済評論家の枠を越えています。長谷川氏の論調は、常に明るく、積極的で、竹を割ったように明解で実に男らしいです。多くの経済評論家は予測が外れた場合に備え逃げのアリバイを残しますが、長谷川氏はそうしたことせず明確に論断します。もちろん中には外れることもありますが、そうしたことに躊躇せず堂々と大上段に構えて次の予測に突き進みます。経営者にとりアリバイを残す評論家は信頼しませんが、論断する評論家の意見は参考にしています。私は長谷川氏にいつも励まされ元気をもらい、やる気にさせられてきました。今年87歳になりますが相変わらず元気な論調で、誠に貴重なお人です。
さて本題ですが、長谷川氏は反日アジアから親日アジアへ大きく舵を切っていました。ASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国、ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ミヤンマー、フィリピン、ブルネイ、マレーシア、シンガポール、インドネシアで人口約6億人(世界8位の経済規模)。さらにインド12億人、バングラデシュ約1億5千万人に日本の1億人を加えますと約20億人規模になり、中国、韓国、北朝鮮の合計14億人に比べてはるかに大きな市場になります。
今日もインドのモディ首相が訪日していますが、ASEAN諸国のアンケートをみますと、「最も信頼できる国」として、日本が33%、アメリカ16%、イギリスが6%、中国5%、ロシア3%、韓国2%の順になっていますし、「将来の重要なパートナー」でも、日本が60%、中国が43%、アメリカが40%になっています。
目下インドシナ半島に長大な高速道路が建設中で日本もそれに支援しています。東西ルートはベトナムからミヤンマーまで約2200キロ、南北ルートはラオスからシンガポールまで約3300キロになります。この高速道路が結ばれますと、AEAN地域の生活が向上し、経済と物流が大きく変わり発展してゆきます。世界は広い、なにも無理して反日国で苦労するより、歓迎される国と一緒に楽しくやればいい。
以上は私の「東洋の理想」と同一線上にあります。大東亜戦争以前にアジアに一つの独立国もなく、大東亜戦争以後にアジアに一つの植民地もなくなりました。日本は先の大戦の挫折と反省を踏まえ、各国の民主社会と、文化の多様性を尊重した新たな共存共栄の時を迎えています。アジアの東雲から再び白光がさしそめました。
「神のごと 遠く姿をあらわせる
阿寒の山の 雪のあけぼの」(啄木)
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