今年4月4日付けのブログ「霞む香港」で、環境汚染について書いたのですが、「公害」を「民主」に差し替えて読でみました;
「民主制度で育った香港の人にとってこの程度の汚れはまだ許容範囲なのかも知れませんが、いまだに公害運動もせずにおとなしくしているのか理解に苦しみます。やがてこれが『ピーク』になれば公害(民主)運動が始まるかと思います。中国の近代史を見ますと改革改善は常に南方から始まり北上して制度化しています。ここは香港人のプライドに期待したいところです」。
1997年に香港が中国に返還される際、「一国二制度」の基本法で50年間は外交と軍事以外は現政治体制の維持を確約していましたが、まだ20年たたずここにきて確約が怪しくなってきました。
先日22日に香港の学生たちが、2017年の香港次期行政長官選挙に向けて、「一般有権者による立候補制度」と「一般有権者の直接投票による長官選出」という、普通選挙制度の民主化を求め、隠れ共産党員とされる現行政長官ら政府高官の辞任を迫り、授業ボイコットをはじめ、20校以上の約1万人が参加しました。学生のリーダーは演説で「授業ボイコットは反撃の第一歩だ」と強調し、民主化実現まで徹底抗戦すると激を飛ばしました。
28日には民主派団体が「行政長官選挙の民主化」を求めて、香港の中枢に在る国際金融センターを占拠する街頭行動の開始し、学生や民主派団体ら約7万人がデモに参加し、香港政府庁前の大通りを遮断し交通がマヒ状態になったようです。警察は催涙弾を撃ち込み強制排除をはかり26人が負傷しました。香港の抗議活動の鎮圧に催涙弾が使われたのは極めて稀でして、それほど民主化運動が盛り上がりを見せています。10月1日の国慶節には同地区で座り込デモをやるとしています。
私はこの香港の動きに注目しています。近代中国革命は「太平天国」「辛亥革命」しかり、常に南方から火の手が上がりました。今回は中国政府の確約破棄という非があるので、早い段階に譲歩しなければ(譲歩しないと思うが)、香港民主化運動は隣接する広東省に連動して行くかと憶測しています。
さて、10月はそんな香港の雰囲気を見に出かけてきます。おかげで出張が台湾、香港だけになり、またして日本は成田経由のフライト・スルーになってしまいました。6月から三連続で日本をスルーしますとさすがに温泉が恋しくなってきました。
当地に戻るとすぐにスイスに飛びますので、10月はほぼ旅の秋空です。みなさんもよい月をお過ごしください。
昨日から ちょっちょっと秋も 時雨かな (芭蕉)