今年もまた鬱陶しい8月15日の終戦の日がやってきます。
「文化防衛論」についで「若きサムライのために」(文春文庫)を再読しました。前書に比べるとそれほどインパクトはありませんが、この著書は昭和44年7月「日本教文社」から単行本として発行したエッセーと対談集を文庫にしたもので、三島由起夫自決の1年前の作品です。
私が21歳の時に「日本教文社」の本を初めて購入したのでよく記憶していました。たぶんこの記憶が24年後に、私が恩師と共著で当社から「文明の大潮流」と「超古代巨石文明と太陽信仰」を上程する伏線になったかと思います。
それに今回再読して初めて気がついたのですが、三島氏が言う、もし日本に共産革命などの一大事があれば「私は一人でも日本刀を持って駆け出すつもりです。その時には、たとえ相手を一人か二人しかぶった切れなくても、私は日本刀を持って駆け出します」というくだりを、私は完全に無断借用していました(このパクリに忸怩たる思いです)。
しかし三島氏が言いだす前、1945年8月の終戦前夜、日本刀は持ち出していませんが、その様な行動をした人がいました。天皇陛下をお守りする為に単独で皇居に入りました。「今この戦争を止められるのは天皇陛下しかおられない」との認識でした。私の人生の師・中村天風です。私は三島論でなくこちらの影響と思っていました。
この事件を「日本で一番長い日」と題して、マイルストーン・エッセー(2011年6月)に記しておきました。ご参考まで。
http://www.tempu-online.com/essay/2011/06/
いざよいの いづれか今朝の 残る菊 (芭蕉)
今時に日本刀など時代錯誤もはなはだしいですが、せめて日本のサムライとして、心に刀を佩びたいものです。「菊と刀」文化を守る為の刀です。「心に刀を佩び」我々団塊の世代がやり残し未だ「果たし得ていない約束」、戦後レジームと自虐史観の超克の為にもうひと仕事です。人は生まれながらにしてサムライになるのでなく、心に刀に佩ぶることでサムライとなって行くものです。
いざ行かむ 雪見にころぶ ところまで (芭蕉)
果たし得てない約束(2)
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