(会社の庭に咲く真夏の百日紅)
アメリカが太平洋の東側に身を伏せ、世界の警察官の役割を放棄しはじめ、太平洋の西側の空白を日本に代替えさせようとしています。アメリカ社会が変色し世界が一挙に多極化へ向かった現実を、6年前オバマが大統領になった時に気がつくべきでした。しかし、折り悪く日本は失われた20年と重なり、さらに民主党の低落による政治の混乱と東日本大震災と福島原発の災害対策に追われ、国際環境の変化に対応できませんでした。
そして、この国が多極化のなかで衰退に向かいはじめ危機的状況を呈してきました。日本が停滞し自信喪失している間に、極東アジアで中国と韓国が大きく経済成長して自信をつけ、日本が弱体化したかと見ると追い打ちをかけて反日をしかけて来ました。
大不幸中の幸いだった事は、多くの日本人が、特に若い世代が東日本大震災を日本消滅の危機と直感し「このままではいけない」と、覚醒してきたことです。天災を日本の「心災」と捉えて、どこに問題があったかを真剣に検討し、今後の方向性を模索しはじめました。
先ず出版界にその現象がはっきりと表れました。大震災以後に内容のある本が次々に出版されてきまして、戦後レジームの中で過保護的に温存されてきた知識人が時代の流れに取り残されて色あせ、著書も現実から遊離して通用しなくなってきました(いまだに最後のあがきをしていますが)。たぶん後世の人は、大震災を境にして戦後の知識人から若い知識人に世代交代したとみる事でしょう。私はこれを「百田尚樹現象」と呼んでいます。
そんなわけでして、私も大震災以後に出版された著書と日本の方向性を示唆した本を買い漁り再び乱読期に入りました。7月は「読書の夏」で10冊の買いだめ本を一気に読みました。なかでも勉強になり感動を受けたのが、馬渕睦夫著「いま本当に伝えたい感動的な日本の力」と「日本が生き残るための世界史、国難の正体」(総和社)2冊。ベン・アミー・シロニー著「ユダヤ人が歴史から読み解く日本の精神、日本の強さの秘密」と「ユダヤ人と日本人の不思議な関係」(日新報道)2冊でした。いずれもマイナーの出版社なのが気に入りませんが、これが今もなお日本の現状です。
「読書の夏」8月は二十歳の我に還り、三島由起夫著「文化防衛論」の再読から入いろうと思います。夏が猛暑なら私も猛書。
8月もよい月にして行きましょう。
コメントする