いま私の机の上に中国製のスマートフォンが置いてあります。5月に会社の者がこのメーカーへ商品企画するために持ち帰ってきたサンプルです。サムソンのスマホと同じ見栄えのするよくできた商品でした。
私はこれを手にした時、(こりゃもう勝負ありだ)サムソンの凋落を直感しました。それを象徴するかのようにサムソンの会長が心筋梗塞で倒れてから2ヶ月が過ぎても入院中です。企業経営も今期決算でスマホが10%の落ち込み減収減益となりました。しかも、これは始ったばかりで、サムソンの落ち込みはそのまま中国製の躍進と比例しています。中国政府は同格の商品ならば、国営企業を優先させるのが国策ですから圧倒的にサムソンの不利になります。ソチ冬季五輪の開会式で中国選手が入場した際、列席した習近平主席夫人が中国製のスマホで写真を撮っていたのは、国産へのGoサインでした。
その上、スマホの世界市場はすでに飽和化してきまして、機種に内蔵するソフトと企画部品が同じならば、後は価格の競争だけとなります。また、たとえ価格競争に打ち勝ったとしても減益減収は止まりません。「この道はいつか来た道」で、かつてサムソンが日本メーカーの技術を借用し(パクリ)、価格競争に打ち勝ち世界市場に君臨した道を、いま中国勢が踏襲し始めました。
まぁどうなろうと、「あっしにゃ関わりのねぇことでござんす」が、潜在する問題はサムソングループの総売り上げが、韓国総生産(GDP)の30%を超えている事と、株主の54%が外資系資本という状況です。サムソンの凋落はそのまま韓国経済を直撃し、外資系株主は利益を吸い上げたあげくに儲からなくなれば資金を引き上げます。そして、そこに残るのは不景気と失業問題という殺伐とした「寒ム村」です。
韓国は中国に「どうぞお手やわらかに」と、すがる思いでさらにすり寄るでしょうが、今の中国にはその余裕はありません。それに中国人は腹の底では韓国人を東夷の田舎者「小子」(儒教でいう小人)と軽蔑してますので、利用するだけで端から相手にしていません。私は中国人が韓国人を「小子」と吐き捨てる場面を何度も目撃しています。
一方、半島気質の韓国人も中国人を信用していません。韓国はこのままでは中国に呑み込まれる危機に直面しているのに、なぜ伝統ある韓国の学生運動が、自国の稚拙な外交に対して反対運動に立ちあがらないのか不思議なくらいです。
私はサムソンの凋落を機に、じき「Some soon」に火の手が上がるとみています。民主化された韓国の民度に微かでも希望を持ちたいものです。(続)
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