「飛ばねぇ豚はただの豚だ」 「いいね!」
5月も今日で終り、なんだか飲水だけに終始してしまった感じです。やっと1日にペットボトル(500ml)4本+の飲水が習慣化してきました。
今月はもう一つ集中したのは、いい歳した私と娘とで宮崎駿作品集を再度観賞しました。昨年の「風立ちぬ」が評判倒れでして、宮崎駿監督はこの程度のだったのか、どうも納得が行かず再観賞した次第です。
「天空の城ラピュタ (1986)」、「となりのトトロ (1988)」「紅の豚 (1992)」「もののけ姫 (1997)」「千と千尋の神隠し (2001)」「崖の上のポニョ (2008)」、プロデュース作品「おもいでぽろぽろ
(1991)」、「耳をすませば (1995)」を、観賞しました。今週末に「風の谷のナウシカ(1984)」と「魔女の宅急便(1989)」を見て一段落です。
宮崎監督の作品はどれも素晴らしかったです。風景が鮮明で美しくこれだけで十分に楽しめました。ストーリーと動作のスピード感が面白いうえに、あの奇想天外な想像力、どうしたらあのような奇天烈が出てくるのか、監督の頭を解剖したくなってしまう。
私の一番お気に入りはニヒルでアナキーな「紅の豚」ですが、監督はこの作品を「道楽でくだらない物を作ってしまった」と罪悪感に囚われたと言いますが、監督の嗜好がよく出ています。洋画「カサブランカ」のアニメ版でして、これ以外の物語はすべて女の子が主人公になっています。最近の女性が元気なのは幼児時のアニメの影響かもです。全作品ともまぎれもなく日本アニメ文化を体現して少しも期待を裏切っていませんでした。「トトロ」が世界中の子供たちのアイドルになるのが頷けます。改めて再評価でした。
文化を創造するのには天才一人でもいいのかも知れない。一人の天才を産む裾野には、それを理解できて支える多くの才人がいるわけです。「数を少ないことを憂うることはない。少数者で充分果たし得る。歴史はつねに少数者によって創られてきたではないか。キリストがこの真の実例である」、西行、芭蕉もしかり、世阿弥、千利休もしかりです。近くには黒沢明監督、首相が一人代わっただけで世の中さま変わりです。
ただ、昔なら人生50年で、旬が過ぎると消えて逝きましたが、今は旬を過ぎてもなお余生30年で、難しくなっています。宮崎氏も「千と千尋の神隠し」で、20世紀の終りとともに長編アニメ監督の引退宣言をしていました。あれが旬の潮時だったと思うのですが、そうもしておれず「風立ちぬ」の蛇足作品でした。人生なおも30年+、ここでいま一度人間の真価が問われるたいへんな時代になっているようです。
みなさんもよい水無月をお迎えください。