小保方論文、手のひら返し

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 時の人をさんざんに持ち上げておいてからド〜ンと地面に叩きつける「手のひら返し」はマスコミ・メディアの得意技です。彼らにとって持ち上げるだけ持ち上げて視聴率や発行部数を増やし、手のひらを返して叩いて部数を増やせばそれでよいわけで、それだけのことです。それに迎合する我々、そして75日で忘れ去ります。
 弱冠30歳の小保方晴子博士が、世界で初めて
弱酸などの外部刺激で体細胞を初期化することにより、生体組織分化できる多能性細胞の作製方法を発表しました。この世紀の発表インパクトがあまりにも大きかったためにその反応と羨望もすさまじいものでした。
 そしてまもなく小保方論文に不適切なデータの処理、加工、流用、文章の剽窃などが指摘されまして研究内容自体に疑惑が集中しました。科学を志向する者にとりこうした批評や疑惑はつきものでして、それには更なる研究と実証で応えてゆかねばならないのが宿命です。
 しかし、これに対しての卑劣な誹謗中傷はなんともいただけません。偽ベートンベンと同列に置いたり、愛人スキャンダル、さらには大人AKB歌手デビュー(朝日デジタル)、あの割烹着までがやらせだったという始末です。これでは日夜まじめに研鑽している科学者に対して尊厳のかけらもありません。長いスパンで研究している科学者に対して今の時点だけで叩くのはフェアでないし寛容がなさ過ぎます。こんな事で若者の芽を叩き潰していたら明日の日本はない。
 私はこれまで一貫して「
Not Who is right, What is right.(誰が正しいかでなく、何が正しいか)」を、経営の心得としてきましたが、彼女に対してもそうありたいと考えています。
  私のド素人な直感ですが、私は体内の細胞に刺激(息吹き)を与えて細胞を活性化させることを毎日やっていますので、生体組織を分化できる多能性細胞理論がすんなり受け入れられました。ただ細胞を作製するのは神の領域でして、神の手によるものでないのかと愚考しています。割烹着の小保方博士が神の手を借りて作製に成功したことが、他者の手でも作製に成功するとは限りません。では彼女にできて(もしそれが真実ならば)他者にできないのは、神の手による息吹の有無にあるかと思います。しかし今の段階ではそれを実証する事はできないと思います。なぜならそれはすでに科学の領域を越えた神の領域だからです。彼女が言われるように神の手の実証には50年から百年を待たねばならないかも知れません。我々は真理に対してもっと謙虚でありたいものです。
 果たして小保方論文は「
過去何百年の生物細胞学の歴史を愚弄した」ものなのか、現段階では「それでも地球は回っている」となります。
 彼女を低い次元で叩くのでなく、実証を見守って行きたいものです。

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このページは、三休が2014年3月28日 02:56に書いた記事です。

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