クスコからマチュピチュまで3時間半、パラノマ登山列車でアンデス山脈の渓谷と、アマゾンへ注ぐ渓流に沿って行くと荘厳な景色にここが自然遺産と文化遺産の複合世界遺産として登録されていることが理解できます。
列車に揺られマチュピチュの玄関ウルバンバ渓谷(2430m)にたどり着く頃には、アンデス山脈の神聖さにすっかりインカの洗礼を受けてしまってました。さらにバスに乗り換えて30分ほど登ると、やっとこさマチュピチュの「天中の神殿」となります。最高神である太陽に祈りを捧げる神殿ですが、よくもまあこんな山奥に創ったものだと信仰の力に感動を覚えます。
インカ帝国が1440年に起工して1572年スペインに降伏し滅亡する間に、面積13kmに200戸、約750人が住み、段々畑3000枚、平和で健康的な暮らしを送っていたとされています(今は観光客が1日3000人)。
インカの宗教観は、天の父「太陽神」と母なる「大地神」と、恵みの「水神」の三層からなり、天上を守るコンドル、地上を守るピューマ、水を守る蛇となっています。インカの信仰が太陽神と大地母神は知っていましたが、水を神聖と位置付けていた叡智に感動しました。人類にとり水の問題は古くからの課題であったし、未来永劫の課題であるわけでして、この叡智は未来を示唆していました。山頂のマチュピチュ廃墟に張り巡らされた精巧な水路を観た時、生存に水がいかに重要かを再認識させられ、これから世界的に始まる水の問題を連想してしまった。
太陽の神殿の頂上に「太陽をつなぎ止める石(インティワタナ)」が置かれ、夏至と冬至が正確にわかる窓が設置されていました。石柱を地球軸の傾き23度に合わせていた事はおどろきです。平らな所は生け贄の儀式が行われた祭壇と推察できます。
インカの宗教観、大いなる宇宙ー母なる地球ー恵みの水、三位一体を構成し、コンドルの翼となって今なおアンデス山麓に脈々と棲息しているかのようです。
マチュピチュ
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