曼珠沙華

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kinchakuda31.jpeg 百田尚樹さんの本を、先週末の「輝く夜」に続き、今週末は「風の中のマリア」を読みました。これで連続5冊目、のめりこむと飽きるまで止まらないのですが、後は「影法師」を読んで一段落しようと思っています。文庫本はさすがに目にきつく左目が少々痛い。
 さて「風の中のマリア」ですが、オオスズメバチの物語でして、戦士マリアの30日にわたる宿命的な生涯を描いた小説。ハチの集団そのものを一つの総合的な生物と考え「全体は部分の総和以上のものとする」現代生物学をベースにし、その中で全体と個の葛藤を描いたストリーになっています。昆虫の好きの人にはたまらない物語ですが、ハチがよくもまあ小説になるものと「ハチ合わせ」に感心してしまう。
 
 この本を読み始めていたら、中国
陝西省の3つの市で1640人以上がスズメバチの襲撃にあい200人余が入院、42人が死亡とのニュースがありました。スズメバチの生活にも自然環境の汚染が始まり、死活のために「蜂起」したかと思ってしまった。勇敢なる戦士マリアは先陣に立って人間たちと戦った姿を連想してしまった。マリアがんばれ!
 マリアは戦闘に疲れ、己の死期を知り、死ぬ場所を求め北の森に向かう旅立ちの途上、小川の土手に真っ赤な曼珠沙華の群れを見つけ、初めて見る鮮やかに燃える花の上を飛んで森の中に消えて逝きました。
 この花を見るものはおのずから悪業を離れるという天界の如意花、聖マリアと曼珠沙華(彼岸花)のつながりに少々無理があるが、黙示録的には許せる構成でした。百田さんは女性に対する目線がとてもやさしいところが、女性フアンを引き込むのだと思う。 
 当地、曼珠沙華も秋の風に散り、落ち葉の季節を迎えています。
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このページは、三休が2013年10月 7日 03:12に書いた記事です。

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