台北西門町

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psb-5.jpeg 台北の西門町は観光ガイドで日本の原宿と紹介されているが、それはどうかと思う。たしかに若者で賑わっているが、西門町やはり独自の雰囲気をもっている。
 40年ぶりに西門町に行ってきたが雰囲気は昔とそれほど変わっていなかった。つまらん事にユニクロの障害物ビルが中央に出店したため道筋がわからなくなってしまった。私が週末のたびに出かけた2軒の映画館はすでになく、西瓜の種を食べながらライブで聞いた「歌庁」も消えていた。見憶えのある日本料理店「美観園」(創業1964年)を見つけ、そこを起点に歩きたどると、私が留学生のころ常連だった「一条龍餃子館」がまだ健在で、看板に「50年老店」と書かれていた。その隣に西門町でとびきり有名な「阿宗麺線」が軒を並べていた(写真)。
 私は学生気分に立ち戻り飛び込むように「一条龍」に入り、いつも通り台湾ビールに湯で落花生とキャベツの漬け物のつまみから始めて、大好物の酸辣湯と鍋貼(写真)それに通心菜の油炒めを注文した。これが私のお決まりコース、これでもう満足。店内は古い感じがしたが、味は「四十年如一日」で変わっていなかった。
psb.jpeg 50年の老店というから年増の無愛想なウエイトレス(当時もこんなおばさんだった)に、「40年ぶりに来たが、やはり美味しい。お店はもう二代目に代わったのか」と聞くと、おばさんはうれしそうに相好を崩して「いやまだ同じ店主で91歳になる。たまに店に出て来るが、子供たちは誰も後を継がないのでこれからどうなるかわからない」とのことだった。
 継続も力でして変わらないということも得難いことですが、お客もお店と同じように年寄りが多く、若いお客は見られなかった。お店とともに客層も老いて行き、私もかっての私でなく、40年前の味を懐かしく噛みしめながらも、遮二無二に美味しく食べたあの頃の興奮は失せていました。
「変わらないために、変わり続ける」ことは「大変」なことだが、隣の「阿宗麺線」は若者たちの列で混み合っていて、「一条龍」の入口には「麺線の店内持ち込みお断り」と赤い貼り紙がしてあった。時はたたずむことなく流れ、この老舗の龍もやがて店主とともにファーストフードFC店に追われて西門町から消えて行くのだろうか。
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このページは、三休が2013年9月19日 05:39に書いた記事です。

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