本が刊行される前日に心の整理と充電をかねて群馬の温泉に籠った。
私が時おり行く温泉宿で、露天風呂と森林浴と、渓流のせせらぎと滝からのマイナスイオンを同時に満喫できる温泉三昧の宿です。
かって太宰治や井伏鱒二がよく訪れたという温泉街で、絵はがきに「ひとには教えたくない温泉があります。静かな山間の少しひなびた温泉で、お湯もとってもやわらかく、身も心もよくあったまります。こんな温泉があったらいいなぁと思い続けてやっと見つけた私だけの温泉」とあります。
「教えたくない」とは心が狭いと思うのだが、先人が愛でた気持を考慮して温泉街の名前は伏せることにしますが、今回はここで偶然に新しい発見をしました。
予約した温泉宿に行く坂道を登っていますと、なんとなく見覚えのある風景に出逢って足を止めました。この風景どこかで見たことがあるが思いだせない。夢で見たのかなと思い上の写真に留めました。
宿に着いて仲居さんに聞いてみますと、「千と千尋の神隠し」のモデルのなった、八百万の神が体を癒す「湯婆婆」の温泉宿でした。宮崎駿氏がこの宿に何度か足を運んでスケッチして行かれたとのことでした。
知らずとはいえ、大ヒットした「千と千尋」の温泉に泊まっていたことになります。お隣が八百万の神が休む「湯婆婆の宿」だったとは、本の刊行に先駆けなんとも縁起のいいことだった。
露天風呂に五回も浸たって大いに気を養い、翌朝は意気揚々と東京さ向かった。
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