2012年5月アーカイブ

助けた亀に連れられて〜

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 私は車を運転していて信号待ちの退屈な時に、前の車に貼ってあるシールを読んで時間を紛らわせています。
 シールに書かれた文はキリスト教に関するものや、支持政党の政治的なニュアンスのものが多いなかで、これまでに上手いフレーズだと感心したものに、40フィートのコンテナ・トラックの後ろに書かれていた一文でした。英文の方はうすら憶えですが、日本語に意訳しますと、「もしあなたが私のバックミラーが見えない時は、私もあなたが見えません」というフレーズでした。実務的な文なのですが、ミラーを神に置き換えますと聖書に書かれているような意味深なものになっていました。

 最近のフレーズで感心したのは、「I brake for an animal.(私は動物にブレーキをかけます)という文でした。当地ニューヨークの郊外ではリス、ウサギ、鹿、カモ、タヌキなどが車道に飛び出してよく轢かれています。可哀想なのだが後続の車があると、急ブレーキをかけられません。ですからこのフレ
--ズの方が「動物愛護」や「I Love Animal」などよりも心に訴えてきます。
 さてそこで今朝の話しですが、私が運転していた時に、20センチほどの亀が四車線の道を横断していました。一瞬「石が動くはずがない、亀かな?」と、我が目を疑い通り過ぎました。なにせ亀の横断は初めてでして、たぶん近くの湖水からはい出てきたのだろうと思う。いかにしても亀のことですから車に轢かれる確率は96%です。私は100メートル先でUターンしてそこに立ち戻り、非常駐車のライトを点灯して亀を捕まえました。
 亀を捕らえてから対向車線を見ると、数台の車が私と同じことを考えてか、Uターンして駆けつけていました。そして、私が亀を捕らえたのを見て、亀に代わって私に「サンキュー」と声をかけて走り去って行きました。みんないい人です。私の好きなアメリカ人の豊かな心です。私も急ぎの用事があったのですが、300メートル先の湖水まで行って亀を放してやりました。
 そこで、もしかすると私もこれで竜宮城へ行けるかなと、下衆な思いが浮かび、「助けた亀に連れられて〜♪」と、鼻歌がでてきてしてしまうところが、(すでに亀に連れられ竜宮城に来ていることも知らずに)なんとも我が未熟さの乗りのいいところであります。

粛白「雲龍図」

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 年初にあたり龍年にちなんで、本サイトの管理人さんにお願いし、上記にありますブログの挿絵に龍をお願いしたら、この元気のいい龍にしてくれました。
 その後、いったい誰の作品なのかと気になっていましたら、どうやら江戸中期に活躍した、奇人奇想の狂気な画家、曽我粛白(1730〜81)の作品系統の様でした。様でしたと言いますのは、粛白(しゅくはく)の龍の指は4本ですが、これは3本となっているのと、その後に多くの真似絵が出回っているからです。しかし、この迫力、色合い、力強い線のタッチ、まぎれもなく粛白系と言えます。
 粛白の作品ではと発見しましたのは、東京国立博物館で「奇才、曽我粛白、特別ボストン美術館、日本美術の至宝展」(3月20日〜6月10日)開催の案内でした。同時期に千葉市美術館でも、「粛白ショック!!」展を催しています。
 私の次回の日本は6月下旬でして惜しくも観賞できませんが、折をみてブログで無断借用のお詫び方々、
ボストン美術館へ「雲龍図」を観に出かけてこようかと思っています。みなさんもお時間が許すようでしたら博物館へ出かけられて、粛白の元気をもらってきてください。

スロバキア

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DSCN3526.jpeg 3年前にウインに行った時、わずか60km先のスロバキアまで行かなかったことに悔いを残しました。2年前にチェコを観光した時、協議離婚の片側であるスロバキアまで足を伸ばさなかったことに、またして胸にひっかかっていました。ですから今回は出発前からブタベストから行こうと決めていました。スロバキアはついで廻りの観光で、この国だけを目的にして行く奇特な人はそういないと思う。
 ブタベスト東駅から汽車に乗って2時間半、大平原とドナウ川、アカシカの樹々に咲き乱れる白い花を見ながら、首都プラチス
ラヴァ駅(いまだ名前が憶えられない)に到着。一人旅に当地のガイドさんと日本人のガイドさん二人の美女?が駅で迎えてくれて、ランチを挟んで滞在5時間で旧市街地を両手に花の散策ツアーになりました。
 スロバキアの先住民はケルト人、1世紀頃にゲルマン人が支配し、5世紀頃からスラブ人がこの地に帝国を築き、今日までスラブ系民族の国になっている。一方のハンガリーはフン族の流れがまじゃるというマジャル人、私にはその違いがわからないが、両者はさしずめ日韓の感情関係いうから面白い。感情対立の歴史をひも解けば、10世紀にマジャル人がこの地に侵入してハンガリー王国を成立させて長期にわたり統治し、さらに、オスマントルコ帝国がハンガリーに侵入すると、ここにハンガリー王国の首都が移したことにあるらしい。日韓もそうだが隣国との民族対立は、感情対立がないとお互いが同化してしまうという、民族の危機防衛本能だと思う。
 そのハンガリー王国が君臨した
プラチスラヴァ城の高台からドナウ川を眺めると、上の写真に見られるように川上のすぐ向う岸にたくさん風力発電塔が並んでいて、そこからがオーストリア、川下のすぐ向う岸がハンガリーで、三国の国境沿いにドナウ川が流れていました。これなら強国が歩いて侵入するなど朝飯前のことです。しみじみ、海に囲まれて守られている日本は、なんと恵まれた国かと実感させられる。
 1948年から1989年のソ連共産党に統治され、多くの人が自由を求めてスロバキアからオーストリアへ脱出を試み、この中間地帯で40年間に400名余の人が銃殺されているとのことで、まさに亡命です。ベルリンの壁だけでなく、ここでも見えない壁があったことを初めて知り、その方向に向かって黙祷を捧げました。この風景を見ただけでも、この地に来てよかったと思った。
 旧市街地では別格のワインの美味しさ、高校生の卒業パレードの元気な騒がしさ、バザーと多くの大道芸人たち、それぞれが皐月の青空の下で平和を楽しんでいた。それにしてもこの大道芸人の空中浮揚のトリックは縦棒にあることはわかるが、見事なものだった。
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ドナウのバラ

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DSCN3456.jpeg 「ドナウ川の薔薇」といわれるドナウ両岸のブダペストの中世文化を楽しんできました。
 ドナウ川はドイツを源流にして全長2860km、中欧部のオーストリア、スロバキア、ハンガリーと流れ、東欧10カ国、クロアチア、セルビア、ルーマニア、ウクライナ等から黒海へ注ぐ大河で、古代から内陸航路が発達し、中欧交通の大動脈となっていました。
 この大河を舞台にして古から諸民族が交差し、ローマ帝国はここまで膨張し、ここを北方の防衛線にしました。中世には十字軍とそれと対抗するオスマントルコ帝国の兵や武器の輸送路となり、17世紀にドナウの
上流・中流がオーストリア領に、下流がオスマン帝国領となり、この二重帝国を結びつける大河となりました。第一次世界大戦によって二重帝国が崩壊し不安定な国際情勢が続き、そこをドイツのナチスが占拠し第二次世界大戦後にはソヴィエト連邦の衛星国におかれ、冷戦終結後は東欧革命によって各国々が解放された歴史となっています。
 ドナウ川にまつわる民族興亡の歴史を思い浮かべながらクルージングしていますと、川岸の荘厳な中世の建物に並んで、美観をそこなう不釣合いな近代建設のインターコンチネンタル・ホテル、マリオット・ホテルが視界に入ってきます。なんであそこにかくも安っぽいビルを建てるのだろうか。世界遺産ユネスコの認可に多額お金を使ったのだろうが、もう少し建物に工夫が欲しいものです。
 なるほど、「行く川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」で、冷戦の終結とともに、今度はアメリカと西欧(EU)が進出を始め、ドナウの流れとともに歴史も流れていたわけでした。
 こうしたアメリカの進出の中で一つだけ救われたのは、ブダペスト西駅に隣接して在る、ヨーロッパで一番に豪華といわれるマクドナルド店だった(下の写真)。天井の高い中世風の建物をそのままに改装して、中世と現代の佳さを巧みに活かしていました。しかも、ビックマックの味もピリ辛くハンガリー風味で、ポテトは新鮮な現地産だった。

 マックナルドが進出して行く国には戦争が起こらないということだが、グローバル化とはこうありたいものです。
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ブダペスト

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IMG_1433.jpeg 私は外国を旅行すると、だいたいその国に親近感を覚えるのですが、今回はなぜか違和感を覚えてしまった。好きとか嫌いという感覚でなく、初めから視線をフォーカスできずピンボケとなり、街を歩いていても、何かが違っていてどうも落ち着かない。これは何故なのかなと考えながら1週間が過ぎてしまった。
 この1週間の滞在中にもヨーロッパは大きな政治的な動きがありました。
フランス大統領選で社会党のフランソワ・オランドが当選し、これからフランス人持ち前の自己中心の身勝手が始まるようです。ロシアではプーチン大統領再選で4年ぶりに大統領に復帰し、さっそくG8参加をドタキャン。ギリシャ総選挙後の与野党連立交渉に失敗し現在は無政府状態で、経済崩壊は救いようがない惨状です。ヨーロッパの経済危機は長期化しよい方向に進んでいない印象でした。その中に在ってドイツが独り勝ちで、さすが「独逸」。これからEU諸国の不満はドイツに向かって行くようです。もともとEU連合はドイツの復興力を削ぐために、贖罪として始めたわけですが、このままではフランスも脱落して、再びドイツEU帝国の勃興の兆しです。優秀な民族です。
 そうした政治の動きはさて置き、ブダペストは美人が多かったことに楽しい驚き、たぶんEU諸国では、ポーランドとハンガリーが、1、2位を争う美人国かと思う。

 それと、両岸が見えるドナウ川の薔薇」の夜景は、ヨーロッパで最も壮麗といわれる国会議事堂、教会、宮殿 は最高の眺めで、ハンガリー美人の象徴していた。

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何かムンクある?

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 私の絵の評価は極めて直感的でして、観賞して「いいな〜」と感動するか、しないかだけとなっています。
 以前バルブ経済の華かりし頃に、東京の画廊を訪問したことがあります。モネーの睡蓮の絵が5展ほど展示されていまして、どれもが特別価格で数億円とのことでしたが、見ても何にも心に伝わってくるものがありませんでした。出口の近くに「赤い門」という作品だけが心を打ちまして、画家の名を聞いたら中国人とのことでした。
 数日後、モネーにしては特価なので、それでもと思い鑑定士を行かせましたら、画廊をちょっと覗いただけで、入らずに帰ってきたとのことでした。鑑定士仲間では、画廊に一展でも贋物があれば、後は見なくても全部が贋物と判定するようでした。この「一つが偽ものなら、全部が偽もの」という判定基準は、私が実生活を活きて行く際にもいい教訓となりました。しかし、今でも出口に掛けてあった絵だけは本物だった思う(そう自分の目を信じたい)。思うにあの中国人画家が(食べる為に)モネーの習作を描いたのではないかと推測しています。
 前置きが長くなりまいたが、先日、
ノルウェーの画家エドバルド・ムンクの代表作「叫び」が、オクションにかけられ、美術品史上最高額の約96億円で落札されたといいます。
 私はこの「叫び」の作品は、見ていているだけで不快と不安感を煽るので大嫌いでして、よくこんな作品を高額で買う人がいるものだと思った。たぶんどこかの美術館のコレクションと思うが、私ならタダでくれるといっても、けして自分の部屋に掛けようとは思わない。それくらい嫌いというインパクトがあるから名作なのだろうが、私はこうした病的な作品を評価しない。まぁ、人それぞれだから、それでいいが。

 オクションと言えば、最近、中国の富裕層が世界各地のオクションから、中国の骨董を買い漁っている(買い戻す)ことが、ニュースになっていましたが、なんとその一人が、我が古き知人だったことを知り呆れてしまった。彼は各代のいい仏像を収集していましたが、博物館に仏像が百体陳列されていても、仏の心が百あるわけでなく、仏の心は一つなのですから、仏像は一体あれば足り、それほど収集しなくても、本人が仏の慈悲をもって仏になりきればいいわけなのですが、これも前世の業なのでしょうか。
 ムンクの作品を買う人も、あながちこのような人なのかと思います。「なんかムンクある?」と言われてしまえば、これも人生のオクションで、人それぞれですから、別にムンクありません。

 

インコのピーチャン

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 このところ動物の話しが続くが、今日も「鳥扱い注意」のいいニュースです。
 私の手持ちのジョークにオームの話しがあります。飼い主がオームに繰り返し言葉を教えても何も憶えないので、ついに腹を立て、「何も話せないのか、このアホー鳥」と言うと、オームが突然に、「だったらお前は飛べるのか」と、返したという落ちです。
 さらに今日の面白いニュースは、福島県模原市で迷子になった雄2歳のセキセイインコが、4月29日に
近くのホテルの前で男性客の肩にとまり、警察署に届けでて署の鳥カゴで保護していると、5月1日の深夜に突然、「ピーチャン」と話しだし、同日午後に「サガミハラシ ハシモト」と住所と末番地を正確に話し始め、署員がピーチャンが話した住所を訪ね、飼い主の元に帰ったといいます。署員は「こんな形で飼い主が判明するなんて」と、唖然。
 いい福島県だよりだ。それにしても痴呆症鳥の徘徊でなくてよかった。

ゴリラが帰ってきたぞ〜

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 松井秀喜選手がフロリダ州のタンパベイ・レイズとマイナー契約を結んで、アメリカ大リーグへ帰ってきた。年齢的に一年浪人する余裕もないだろうし、37歳の指名打者だけの契約では高額選手なのだが、彼にはこんな形で引退などさせたくなかったし、彼は自分で引退を決められる選手だと思うので、一時はどうなるものかと気になっていたがこれで安堵した。今季は所属が決まらないままアメリカでトレーニングを続けていたという

 レイズのマドン監督は、松井が大リーグデビューした時から注目し、「勝負強い打撃と真摯に野球に向き合姿勢が素晴らしい」と語っているから、たぶんメジャー復帰を前提にした契約だろうと思う。松井はまだメジャーで十分にやれる力があるので、今シーズの活躍を期待したいものです。できたら「ここに松井あり」で、チームをプレーオフにまで引っ張っていってもらいたい。
 松井がヤンキーズを去って以来、私もヤンキーズとさよならして、一度もヤンキースタジアムに足を運んでいない。野球も見ていない。
 さすがレイズだ。低予算の地味な球団だが、若手にこれからスターに育ついい選手がいてチーム力も高いので、松井に合っていると思う。私もこれからはレイズのにわかフアンとなって松井の花道を応援したい。そして、非情ヤンキーズが苦手とするチームでもあるから、おおいにヤンキーズを悔やませてもらいたい。
 ヤンキースの監督は、松井のレイズとの契約に、「本物のプロで人間としても素晴らしい選手を獲得した」、「私にとってはヤンキースのすごい選手。昨季後半はとても良かったし、チームにいい影響を与えるだろう」とコメントしている。
 私は松井の姿勢に古き誠実な日本人を感じてしまう。ベースボール・プレーヤーでなく、野球選手の感じがして、他の日本選手と違った思い入れがある。今シーズンにヤンキースタジアムで、同じ歳のベテラン黒田選手が投げて、松井選手と勝負するようなら、数年ぶりにスタジアムへ応援に出かけようと思っている。もし、ダルビッシュとの対決でもあるようなら、テキサスまで飛んで行きたいものだ。

今日も笑うぞ〜

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elephant.jpg さわやかな5月になりました。皐月は鮮やかな春の花に代わり、藤、アヤメ、あじさいとシックな紫色の花となり、これもまたいいものです。よい月にして行きましょう。
 さて、月初めは本サイトでお世話になっています木版画の川元信泰画家のゾウの作品を紹介しながら、先ずはお笑いから始めてみます。
 
中国、武漢市の動物園で飼育されているアフリカゾに、見学者の男がいくつも石を投げていじめたところ、ゾがその石を拾いって投げ返し、ゾを見ていた女性の頭に当たり軽いけがをしたお話しです。5年前にも同じように、男がゾに石を投げつけ、その石をゾが投げ返して女児に当たる事故が発生し、柵の高さを3メートルにしたが、今回はその柵を越えての事故だったという。動物園側は、「ゾはとても賢く感受性豊かな動物。見る人はマナーを守ってほしい」と呼びかけているという。ゾウも中国で活き抜いてゆくのは大変なんだゾ〜。
 ゾの檻には、「食べ物や石を投げないで下さい」との注意書きがあるそうだが、今回は人間が賢く感受性豊かなゾウ様に、公衆道徳を戒められたことになるようです。
 ついで犬のお話しでして、中国に犬肉インスタントラーメンが売られているようでして、中には死んだ犬の肉が含まれていることが判明したとのことです。東北の朝鮮族自治州の食品会社が製造で、包装紙にもハングル文字と平行して漢字で「大塊狗肉麺」とあり、北朝鮮にも出荷されているとい
います。肉は工場で粉末加工され味つけして調味料に使われ、原料はすべて死んだ犬の肉だとのこと。犬肉ラーメンは袋約25円。お試しになっては、、
 しかし、中国も頑張っていまして「反虐待動物法」が提出され、食用犬や猫の屠殺は禁止になる見通しです。法が施行されれば違反者には、約6万400円の罰金と15日間の拘留、団体には最高約637の罰金となります。
 でも、今頃になって「虐待動物法」が云々されるところがすごい。北朝鮮も犬肉を食べても構いませんが、なんとか「反虐待人民法」の提出をお願いしたい。それに5月の青空を汚すミサイルや核実験の近所迷惑もいい加減してもらいたいものだ。

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