すっぽん料理

| コメント(0)
写真.jpeg 前々回の帰国時に浅草ですっぽん料理をご馳走になった。
 中国の友人に、ごぼう風味の出汁と雑炊がとても美味しく、特にごぼうの滋味に目覚めてしまったと話したところ、次回に是非とも連れて行ってくれという話しになってしまった。

 中国の人は食べる事に関しては貪欲で、またよく味がわかるものだと常々感心しています。中国語でこれを「口福」(美味しいもの食い)といいます。
 中国でレストランを選ぶ時には、客の多い店に入ると間違いなく美味しく、両隣に同じような店があっても、片方は満員で順番待ちなのに、片方はガラガラという気の毒になるほど極端な情況によく出くわします。私は「日本人は目で食べ、中国人は舌で食べる」と言っています。

 また、日本の人が奮発してスキヤキの接待をしましても、なんだ牛肉の単品料理だけかとなってしまいます。彼らは数皿の料理が出てきて初めてご馳走となるわけです。ですから日本でラーメン・ライスを食べている人が理解できず、なんとお粗末なのかと軽蔑視しています。
 すっぽん鍋料理も単品だし、しかも、ごぼうは中国料理に無い食材なので、どんなものかなと思ったが、話しの勢きよで二人の中国人を接待することになりました。
 そうしますと予想外の反応でして、私はごぼう風味の出汁と雑炊しか食べずに、二人が食べ終わるまで無視され続けでした。ほぼ二人で全てのコースをきれいにたいらげ、雑炊など私の半分まで一粒も残すことなく、食べ残しは鍋だけでした。そして、不躾にもお店の人にダシ元は何にかとしきりに聞いていました。

 食後に二人が声をそろえて、「これまでに食べた日本料理の中で一番美味しいかった」と言うわけです。中国人もアメリカ人と同じ様に表現がオーバーでして、よくこうした過剰表現を使いますので、初めは私に対しての社交儀礼と思って半信半疑で聞いていましたが、帰りの道でも繰り返して言うものですから、どうも本気に美味しかったようでした。
 まぁ、考えれば下町浅草の庶民の中で生き残って来た料理文化ですから、さもありなんと納得しましたが、それにしても、今さらに中国人の「口福」に感心させられてしまった。いやはやです。

コメントする

月別 アーカイブ

この記事について

このページは、三休が2012年4月29日 05:05に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「787」です。

次の記事は「鳥扱い注意」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。